
大型犬は、小型犬・中型犬以上に脂質やカロリーのバランスを気を付けなければなりません。食べれば何でもOK!という考えでドッグフードを選ぶことは避けておきたいものです。
では、どういったドッグフードを選んでおくと大型犬の健康にプラスになるのか?また、その中でできるだけ家計に負担のかからない安全な餌はどれなのか?
ここでは、大型犬に合うドッグフードの選び方、そして大型犬におすすめのドッグフード10選を紹介していきたいと思います。
目次
【基本】大型犬に適したドッグフードの選び方
まず初めに、大型犬を健康的にサポートしてくれるドッグフードの選び方についてです。4つのポイントでまとめてみましたので、ぜひ参考にしていただければと思います。
主原料が良質な肉や魚である
大型犬の体を健康的に維持するためにも、質の良い動物性タンパク質の摂取が欠かせません。
とくに中高齢期に入ると筋肉が分解されやすくなるため、筋力低下による体の老化が促進されないよう十分なタンパク質を与える必要があります。
ただし、極端な高タンパク食は避けておきましょう。食事中のリン含有量が高いと腎臓への負担が大きくなるため、きちんとリンの含有量も調整されているフードを選ぶことが大切です。
理想なバランスは、原材料の約半分に低脂肪の動物性原料が使われていて、残り半分に野菜や果物といった植物性原料が使われているものになります。
脂肪含有量とカロリーが高すぎない
大型犬は、小・中型犬に比べると1日の消費カロリーが少なめです。
大型犬にとって肥満は骨や関節への大きな負担となりますから、きちんとライフスタイルに合わせてカロリーをコントロールし、その上で体重管理をするようにしましょう。
また胸部の深い大型犬(秋田犬、ラブラドールレトリバー、ドーベルマン、ボクサーなど)は、胃がガスで膨れ上がる胃拡張や、胃がねじれる胃捻転を発症しやすい傾向にあります。
これらを防ぐ方法の1つとして食事内容の改善があり、まず油脂が多く含まれるドライフードを避けることです。
実際に、油脂が多く含まれるドライフードは胃からの排出が遅れて胃拡張のリスクが高まるという報告が出ています。
骨・関節軟骨成分が含まれている
大型犬は身体が大きく活発なため、関節にかかる負担も自然と大きくなります。
シニア期に入ってからの関節ケアでは遅いことも多く、より早い時期から関節を健康的に保つための食事選びが必要になってきます。
そこでぜひ、関節に良い「グルコサミン」「コンドロイチン硫酸」「MSM(メチルスルフォニルメタン)」の3つの成分が含まれたドッグフードを選んでみましょう。
- グルコサミン:軟骨の原料で、軟骨を再生したり修復したりする働きがある。
- コンドロイチン硫酸:グルコサミンと一緒に摂取することで、軟骨のクッション性や柔軟性を保つ役目を果たす。
- MSM:アミノ酸の構成要素の1つである硫黄の供給源で、骨や皮膚、コラーゲンの生成を補助。関節痛などを和らげる働きもある。
入っていない場合は、サプリメントなどで補足してあげることをおすすめします。
消化に良い食べ物・成分が含まれている
大型犬は消化器官も非常にデリケートです。個体差はありますが、大型犬は栄養価の高い食事(カロリーが高めの食事)をすると下痢しやすい傾向にあります。
また、炭水化物だらけのドッグフードや品質の良くないドッグフードを食べても同様のことが起きやすいので気をつけましょう。
大型犬にとって消化の良い食事とは、分解しにくいタンパク質や脂質、余計な化学合成物質などが含まれていない食事です。繊維質が多い食事も消化に負担をかけます。
ドッグフードの場合は、消化を助ける酵素や乳酸菌などがきちんと含まれていたり、新鮮な食材が低温でじっくり調理されているものを選ぶといいでしょう。
大型犬の餌に評判のいいドッグフード20種類を比較!
以上の4つのポイントを踏まえて、ここでは大型犬の餌に選ばれやすい人気のドッグフード20種類を比較してみることにしました。
比較する項目は「主原料」「脂肪/100gあたりのカロリー」「骨・関節軟骨成分の配合」の3つです。
なお、人間用食品と同等基準など、高品質と判断できる原材料が使われているものは主原料を青文字で示しています。
商品名 | 主原料 | 粗脂肪/カロリー | 関節成分 |
---|---|---|---|
アカナ(アダルトラージブリード)![]() |
新鮮骨抜き鶏肉 13%・鶏肉ミール12%・七面鳥肉ミール11%(肉類含有量60%) | 15%/338kcal | グルコサミン・コンドロイチン |
アーテミス「フレッシュミックス」(アダルトドッグ)![]() |
フレッシュチキン・ドライチキン・フレッシュターキー | 14%以上/361kcal | - |
オリジン(6フィッシュ)![]() |
サバ・ニシン・カレイ(肉類含有量85%) | 18%以上/394kcal | グルコサミン・コンドロイチン |
カナガン![]() |
骨抜きチキン生肉26%・乾燥チキン25%・サツマイモ(肉類含有量60%) | 17%/361kcal | グルコサミン・MSM・コンドロイチン |
コストコ「カークランド」(ラム・ライス・ベジタブル )![]() |
ラム・ラムミール・玄米 | 14%以上/365kcal | グルコサミン・コンドロイチン |
サイエンスダイエット(アダルト 大型犬種用 成犬用)![]() |
トウモロコシ・小麦・トリ肉(チキン、ターキー) | 16.3%/371kcal | グルコサミン・コンドロイチン |
ミシュワン![]() |
チキン、ターキーとサーモン60% | 15%/384kcal | グルコサミン・MSM・コンドロイチン |
プラぺ(CPチキン&ターキー)![]() |
チキン&ターキー60% | 14.5%以上/360kcal | グルコサミン・MSM・コンドロイチン |
クプレラ(プレミアムチキン)![]() |
鶏肉 | 5%以上/340kcal | - |
シュプレモ(成犬用)![]() |
チキン(肉)・チキンミール・玄米 | 14%以上/350kcal | - ※シニア犬用はあり |
ナチュラルチョイス(中型犬~大型犬用 成犬用 チキン&玄米)![]() |
チキン(肉)・チキンミール・玄米 | 13%以上/355kcal | グルコサミン・コンドロイチン |
ネルソンズ![]() |
乾燥チキン28%・チキン生肉22%・サツマイモ(肉類含有量50%) | 11%/368kcal | グルコサミン・コンドロイチン |
ビタワン![]() |
穀類(トウモロコシ・脱脂米糠・コーングルテンフィード・小麦ふすま) | 8%以上/350kcal | - |
ブッチ(ブラック・レーベル)![]() |
骨抜きチキン生肉(29%)、骨抜き生サーモン(20%)、乾燥チキン(13%) | 8.0%/116kcal (ウェットフード) |
グルコサミン・MSM・コンドロイチン |
ピッコロ![]() |
骨抜きチキン生肉(29%)、骨抜き生サーモン(20%)、乾燥チキン(13%) | 15.00%/355kcal | グルコサミン・MSM・コンドロイチン |
ファインペッツ![]() |
鹿肉・鶏肉・オートミール(肉類含有量80%) | 16%/440kcal | グルコサミン・コンドロイチン |
ブルー(大型犬 成犬用 チキン&玄米レシピ)![]() |
骨抜き鶏肉・チキンミール・玄米 | 12%以上/317kcal | グルコサミン・コンドロイチン |
モグワン![]() |
チキン&サーモン(生肉・乾燥肉)53% | 12%/344kcal | グルコサミン・MSM・コンドロイチン |
ユーカヌバ(ラージ アダルト)![]() |
肉類(鶏・七面鳥)・とうもろこし・小麦 | 11%以上/377kcal | - |
ロイヤルカナン(マキシ アダルト)![]() |
肉類(鶏・七面鳥)・とうもろこし・とうもろこし粉 | 15%以上/397kcal | グルコサミン・コンドロイチン |
大型犬の餌に選ばれやすい人気の20商品を比較してみて、「ん?これで本当に犬の健康をサポートできるのか?」と疑問に感じるドッグフードがいくつかあることが分かりました。
まず、主原料に穀類が使われているドッグフードは、どう考えてもフードのカサを増すために使われている穀類であることが分かりますね。栄養のためとは思えない使い方です。
他のドッグフードはお肉を使うなどして原材料に良い面は見られるのですが、一部、安全とは言い難い酸化防止剤や保存料が使われているものもありました。
また、脂肪になりやすい動物性油脂が使われていたり(そもそも動物性油脂は何の動物から採取しているのか分からないのでおすすめしていない)、調味料を使っているドッグフードも混在しています。
それに比べ、青文字のついたドッグフードは原材料の使い方や栄養バランスが配慮されていますね。できることなら、このようなドッグフードを選んでおきたいものです。
そこで次に、これらの比較を踏まえた上でさらに中身を掘り下げ、大型犬に合わせておきたいドッグフード10選をまとめてみました!
【決定】大型犬におすすめのドッグフード10選!
ここで紹介する10種類のドッグフードは、大型犬の特徴や抱えやすいトラブルを踏まえた上で、私が個人的にドッグフードの原材料・栄養成分値・製造工程などあらゆる情報を調査した上で高く評価した商品です。完全さを保証するものではありません。
ネルソンズ

価格 |
【通常】:8,580円 【定期】:7,293円 |
内容量 | 5kg |
評価 | ![]() |
アカナ アダルトラージブリード

価格 | 12,960円 |
内容量 | 11.4kg |
評価 | ![]() |
オリジン

価格 |
1,300円(340g) 6,300円(2kg) 15,000円(6kg) 22,000円(11.3kg) |
内容量 | 340g、2kg、5.9kg、11.3kg |
評価 | ![]() |
カナガン

価格 |
|
内容量 | 2kg |
評価 | ![]() |
モグワン

価格 |
|
内容量 | 1.8kg |
評価 | ![]() |
ファインペッツ

価格 |
初回お試し:1,100円(1.5kg) 通常購入:3,803円〜 定期購入:3,593円〜 |
内容量 | 1.5kg、4kg、8kg、16kg |
評価 | ![]() |
プラぺ(CPチキン&ターキー)

価格 |
【通常購入】 4,345円(2kg) 8,580円(4kg) 11,000円(6kg) 21,450円(12kg) 【定期初回】 【定期購入】 |
内容量 | 2kg、4kg、6kg、12kg ※CPチキン&ターキーの場合 |
評価 | ![]() |
クプレラ

価格 |
1,161円(200g) 1,834円(700g) 4,125円(1.5kg) 14,260円(6kg) ※楽天参考価格 |
内容量 | 200g、700g、1.5kg、6kg ※プレミアム・チキンの場合 |
評価 | ![]() |
ブッチ

価格 |
通常購入:1,430円(800g)、2,860円(2kg) 定期初回:3,000円(800g×3種) 定期購入:1,287円(800g)、2,574円(2kg) |
内容量 | 800g、2kg |
評価 | ![]() |
ミシュワン

価格 |
【通常購入】4,356円 【定期購入】3,920円 |
内容量 | 2kg |
評価 | ![]() |
迷ったらコレ!大型犬の餌にネルソンズドッグフードをおすすめする理由!
当サイトは特定のドッグフードを強くおすすめするつもりはありません。
ここはあくまでも私が選んだドッグフードとして参考にしていただきたいのですが、なぜ大型犬にネルソンズを選んだのか?その理由を簡単にまとめてみました。
- お肉をしっかり食べれて野菜や果物も摂れる。
- 脂肪になりにくいサーモンオイルが使われている。
- 関節に良い成分が配合されている。
- 腸の健康を良好に保つマンナンオリゴ糖やフラクトオリゴ糖が配合されている。
- 穀物アレルギーに配慮してグレインフリー。
- 人間用の食品と同等基準の原料が使われている。
私が大型犬におすすめしたい餌としてネルソンズを選んだ理由は、まずはじめに原材料のバランスにありました。
ネルソンズは原材料の約半分に動物性原料が使われています。
極端に動物性タンパク質が多いのは内臓への負担が心配だし、かといって低タンパク過ぎると筋力の衰えや被毛トラブルの誘発などが心配です。
その点、ネルソンズならその中間を保っています。
室内で過ごすことの多い大型犬にも合わせやすく、また好みに合わせて何かお肉や魚をプラスしやすい栄養バランスになっているのもネルソンズならではの特徴です。
もちろん、体質や健康状態によって合うドッグフードが変わるので、すべての大型犬にネルソンズがおすすめというわけではありません。
大型犬の健康を少しでも良好に保つためにも、ネルソンズのような消化に負担の少ないドッグフードを選ばれてみるのも良いのではないでしょうか。
大型犬の子犬(パピー)にはどんなドッグフードがおすすめ?
大型犬の子犬にはどんなドッグフードを選んであげたらいいのか?まずは、選び方のポイントを以下にまとめてみました。
- 素材の分かる安全な原料が使われている。
- 高品質な動物性タンパク源(肉や魚)が使われている。
- 素材の分かる油(サーモンオイルなど)が使われている。
- 脂肪とカロリーが高すぎない。
- カルシウムとリンのレベルが調整されている。
- 低炭水化物である。
- 必須ビタミンとミネラルが含まれている。
- 危険な化学合成物質が無添加である。
大型犬の子犬は、小型犬の子犬よりも体重1kgあたりの代謝率が低い特徴があります。そのため、食事に含まれるエネルギー要求量(カロリー)には十分気をつけなければなりません。
また、大型犬の子犬はゆっくりと成長する特徴があり、成長期が生後15~18ヶ月くらいまで続きます。
とくに骨の成長には時間がかかるため、カルシウムの摂り過ぎにも十分注意しましょう。
カルシウムの過剰摂取は他のミネラルの吸収を抑制するだけでなく、骨格の重度発育障害を引き起こす場合もあります。
カルシウムとリンの比率は1:1~1:2の間が最適と考えられており、総合栄養食を食べているならカルシウムのサプリメントは与える必要ありません。
ただし、手作り食の場合はリンが不足しないようレシピには注意しましょう。
大型犬はいつからシニア用ドッグフードに切り替えるの?
一般的に、大型犬のシニア期は5~6歳頃から始まります。
通常は7歳からがシニア期ですが、大型犬の場合は5~6歳を目安にシニア用ドッグフードへ切り替えたり、あるいは給餌量をやや減らすなどの対策をとるようにしましょう。
ただし、5~6歳からシニア期というのはあくまでも目安です。
愛犬が今どれくらいの体内年齢なのかは個々によって変わるため、まずは定期的に健康診断を受け、その上で愛犬の健康状態に合った食事を決めていくようにしましょう。