
犬が高齢になるにつれ、とくに気をつけておきたいのが食事の管理です。
一般的に流通している低タンパクのシニア犬用フードは、逆に老化を促進させやすいフードなので気をつけなければなりません。
では、どんなドッグフードを選んでおくとシニア犬の健康のためになるのでしょうか?
ここでは、シニア犬に合わせておきたいドッグフードを選び方、そしておすすめのドッグフード11選を紹介していきたいと思います。
目次
【基本】シニア犬(老犬)にいいドッグフードの選び方
まず初めに、シニア犬の健康をサポートする良好なドッグフードの選び方についてです。
高タンパク・低脂肪・低カロリーである
犬はシニア期に入ると活動量が徐々に減少していきます。
もちろん何歳になっても活発なシニア犬もいますが、多くの場合は寝ることが増え、成犬期よりも運動量がグッと減って筋力も落やすくなっています。
そんなシニア犬がカロリー高めの食事を続けると、あっという間に肥満を招いてしまうので気をつけましょう。シニア犬は少しずつ臓器も老化し始めていますから、ここで肥満になるとさらに臓器へ大きな負担をかけて老化を促進させてしまいます。
愛犬がシニア期に入ったら、できるだけ高タンパク・低脂肪・低カロリーの食事に切り替えることが大切です。1日に必要とするエネルギー量は、成犬期よりも10~15%ほど少なくする必要があります。
健康なシニア犬には質の良い高タンパク食が必要ですが、高齢犬や特別な疾患のあるシニア犬などには低タンパク食への切り替えが推薦されます。シニア期を迎えたら必ず健康診断を年2回は受け、その上でフードの内容を調整をするようにしましょう。
関節にも良い成分が入っている
年齢を重ねるにつれ、関節が弱くなってくるのは犬も人間も一緒です。
シニア犬の関節の健康を少しでもサポートできるよう、骨や関節に良いとされる成分が含まれたドッグフードを選んでおくようにしましょう。
代表的な成分であれば、関節軟骨成分のグルコサミン・コンドロイチン・コラーゲン・ヒアルロン酸などがありますね。
あとは、関節痛の緩和も期待できるとされているMSM(メチルスルフォニルメタン)を配合したドッグフードもここ数年で増えてきています。
- グルコサミン:軟骨の原料で、軟骨を再生したり修復したりする働きがある。
- コンドロイチン硫酸:グルコサミンと一緒に摂取することで、軟骨のクッション性や柔軟性を保つ役目を果たす。
- MSM:アミノ酸の構成要素の1つである硫黄の供給源で、骨や皮膚、コラーゲンの生成を補助。関節痛などを和らげる働きもある。
消化に良い食べ物・成分が含まれている
シニア期に入ると消化能力も低下し始めます。また肝臓や膵臓の機能の低下から消化酵素の分泌も減少し、代謝や解毒作用も同時に衰え始めます。
そんなシニア犬の胃腸へ大きな負担をかけないためにも、分解しにくいタンパク質や脂質、余計な化学合成物質などが含まれていない食事を心がけるようにしましょう。
脂肪分の少ない新鮮な肉や魚が多めに使われていて、消化を助ける酵素や乳酸菌などがきちんと含まれているドッグフードを選ぶといいですね。また、新鮮な食材を低温でじっくり加工しているかどうかも重要なポイントになります。
消化に負担のかかる食事は、それだけ内臓にも負担がかかるので体が疲れやすくなります。免疫力を低下させないためにも、消化性の良いドッグフードを選びましょう。
シニア犬(老犬)のご飯に評判のいいドッグフード21種類を比較!
以上の3つの選び方ポイントを踏まえて、ここではシニア犬のご飯に選ばれやすい人気のドッグフード21種類を比較してみることにしました!
ここで比較する項目は「タンパク質・脂質・カロリー」「骨・関節軟骨成分の配合」「消化性」の3つです。
なお、タンパク質・脂質・カロリーは数字だけで良し悪しを判断できないため、高品質と判断できる原料がバランスよく使われているものは青文字で示しています。
商品名 | タンパク質 脂質 カロリー |
骨・関節軟骨成分 | 消化性 |
---|---|---|---|
eatDELI(イートデリ)![]() |
〈ドライフード〉 22.3%以上 5.5%以上 335kcal 〈ウェットフード〉 7.6%以上 0.5%以上 103kcal |
グルコサミン・コンドロイチン | ![]() |
ウェルネスコア(高齢犬用)![]() |
33%以上 10~12% 325kcal |
グルコサミン・コンドロイチン | ![]() |
ペロリコドッグフードライト![]() |
22.5%以上 8.0%以上 326.9kcal |
グルコサミン・コンドロイチン | ![]() |
オリジン(シニア)![]() |
38%以上 15%以上 363kcal |
グルコサミン・コンドロイチン | ![]() |
ペトコト![]() |
8.5%以上 5.5%以上 220kcal |
グルコサミン・コンドロイチン | ![]() |
サイエンスダイエット(シニア 小型犬用 高齢犬用 7歳以上)![]() |
19.9% 14.9% 365kcal |
コンドロイチン・グルコサミン | ![]() |
スーパーゴールド(フィッシュ&ポテト シニアライフ)![]() |
24%以上 7%以上 326kcal |
グルコサミン・コンドロイチン | ![]() |
ナチュラルチョイス(エイジングケア チキン&玄米)![]() |
25%以上 13%以上 355kcal |
- | ![]() |
このこのごはん![]() |
21.5%以上 7.5%以上 342kcal |
- | ![]() |
馬肉自然づくり![]() |
27%以上 11.1%以上 399kcal |
- | ![]() |
ピッコロ![]() |
32% 15% 約355kcal |
グルコサミン・MSM・コンドロイチン | ![]() |
ブッチ(ホワイトレーベル)![]() |
10.5%以上 8%以上 123.3kcal |
- | ![]() |
ボッシュ(ミニシニア)![]() |
19% 7% 312kcal |
- | ![]() |
モグワン![]() |
27%以上 10%以上 363kcal |
グルコサミン・MSM・コンドロイチン | ![]() |
YumYumYum!(シニア&ライト チキン ドライタイプ)![]() |
20.6%以上 6.1%以上 320kcal |
コンドロイチン・グルコサミン | ![]() |
やわか![]() |
19.7%以上 9.4%以上 294kcal |
グルコサミン・コンドロイチン | ![]() |
プロプラン(小型犬 シニア期の成犬用 チキン)![]() |
26%以上 13%以上 364kcal |
- | ![]() |
ヤラー(シニア)![]() |
25% 9% 330kcal |
- | ![]() |
ユーカヌバ(スモールシニア)![]() |
27%以上 15%以上 398kcal |
- | ![]() |
ロイヤルカナン(ミニアダルト8+)![]() |
25%以上 14%以上 397kcal |
- | ![]() |
ロータス(シニア チキンレシピ)![]() |
18%以上 8%以上 357.9kcal |
グルコサミン・コンドロイチン | ![]() |
シニア犬用のご飯に選ばれやすい人気のドッグフード21種類を比較してみて、タンパク質が20%を切るフードが何点かあることが分かりました。
かなり高齢になって代謝も消化率もグンと下がってしまったのであれば、低タンパク・低脂質・高カロリーの食事に切り替えた方が良い場合もあります。
しかしまだまだ元気に動くシニア犬であれば、タンパク質20%以下のドライフードを与えるのはあまり好ましくありません。タンパク質が著しく低いと筋力が低下しやすくなり、老化が促進される恐れもあるので気をつけましょう。
それに比べ、青文字のついたドッグフードは原材料のバランスも良く、低脂肪のお肉や魚を使ってシニア犬にも優しい内容となっています。
また調理法や品質管理にもとてもこだわっているので、できることならこのようなドッグフードを選んでシニア犬の健康をサポートしていきたいものですね。
そこで次に、これらの比較を踏まえた上でさらに中身を掘り下げ、シニア犬に合わせておきたいドッグフード11選をまとめてみました!
【決定】シニア犬(老犬)におすすめドッグフード11選!
ここで紹介する11のドッグフードを決めるにあたり、「原材料と栄養のバランス」「シニア犬の健康をサポートする成分の配合」「消化性」「安全性」にポイントをおいて評価してみました。感じ方には個人差があり、完全さを保証するものではありません。
ピッコロ

価格 |
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内容量 | 1.5kg |
評価 | ![]() |
モグワン

価格 |
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内容量 | 1.8kg |
評価 | ![]() |
ペロリコドッグフードライト

価格 |
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内容量 | 1.8kg |
評価 | ![]() |
eatDELI(イートデリ)

価格 |
|
内容量 | 1アジ:800g 2アジ:160g |
評価 | ![]() |
ブッチ

価格 |
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内容量 | 800g、2kg |
評価 | ![]() |
YumYumYum!(シニア&ライト チキン ドライタイプ)

価格 |
【通常】2,154円(500g)~ 【定期】2,154円(500g) |
内容量 | 500g、500g×2、2kg、2kg×2 |
評価 | ![]() |
馬肉自然づくり

価格 |
【通常】3,300円~ 【定期初回】2,640円~ 【定期】2,970円~ |
内容量 | 1kg |
評価 | ![]() |
このこのごはん

価格 |
|
内容量 | 1kg |
評価 | ![]() |
やわか

価格 |
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内容量 | 1.2kg(80g×15パック) |
評価 | ![]() |
オリジン(シニア)

価格 |
1,265円(340g) 6,930円(2kg) 17,820円(6kg) 25,740円(11.4kg) |
内容量 | 340g、2kg、6kg、11.4kg |
評価 | ![]() |
ペトコトフーズ(PETOKOTO FOODS)

価格 |
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内容量 | 150g×12袋(1.8kg) 150g×24袋(3.6kg) 150g×36袋(5.4kg) 150g×48袋(7.2kg) 150g×96袋(14.4kg) |
評価 | ![]() |
迷ったらコレ!シニア犬(老犬)にピッコロドッグフードをおすすめする理由!
当サイトは特定のドッグフードを強くおすすめするつもりはありません。
ここはあくまでも私が選んだシニア犬用ドッグフードとして参考にしていただきたいのですが、そもそもなぜピッコロを選んだのか?その理由を簡単にまとめてみました。
- 質の良いタンパク質(チキンとサーモン)がたっぷり使われている。
- 人間用の食品工場で加工出荷された肉・魚・野菜等を使用。
- 消化に負担のかかる食材が含まれていない。
- 関節に良い3つの成分が含まれている。
- 穀物・副産物・遺伝子組み換え食品不使用。
- トレーサビリティが徹底されている。
「シニア犬に高タンパク食は良くない」とよく言われていますが、それは質の悪い肉や魚をたっぷり使った高タンパクドッグフードを食べさせてしまうからです。
だから「シニア犬には低タンパク食を!」と間違った情報を発信してしまう人がいるんですよね。
しかし、健康なシニア犬に低タンパク食を与え続けることは筋肉を痩せ細らせてしまう原因になるため、逆に危険であるということを私たち飼い主は知っておく必要があります。
最近の研究では、健康なシニア犬は成犬よりも50%ほど多めのタンパク質を必要としていることが分かっています。
シニア犬はできるだけ高品質で低脂肪なタンパク質を摂取することが望ましいとされているため、私はピッコロのような質の良いシニア犬用ドッグフードを高く評価しました。
「愛犬には健康的に長生きしてもらいたい」そう願っている飼い主さんは多いはずです。
まずはどんな食事が今の愛犬のためになるのか?まずはそこからしっかりと考え、その上で愛犬に合った体にやさしいフードを選ぶようにしましょう。
シニア犬用と成犬用のドッグフードの違いは?
最近は子犬から高齢犬まで合わせられる全年齢タイプのドッグフードも多いですが、「シニア犬用」「成犬用」とカテゴリを分けている商品もまだまだたくさんあります。
そこで気になるのが、シニア犬用と成犬用の違いですよね。
これらの違いは、それぞれがそれぞれのライフスタイルや健康状態、体質に合わせた栄養バランスになっていることです。
例えば、シニア犬用には抗酸化成分や関節成分などが配合されている特徴があります。また代謝も落ちるので、脂質やカロリーがやや低めに設定されているんですね。
その逆で、成犬用はシニア犬用に比べると脂質とカロリーがやや高めに設定されています。そのため、一時的にシニア犬用のドッグフードを食べてダイエットをする成犬もいます。
シニア犬(老犬)がドッグフードを食べない時の対処法は?
シニア犬がドッグフードを食べない時、考えられる理由は6つあります。
- 運動量・基礎代謝が低下している。
- 消化機能が低下している。
- 嚥下能力(飲み込む力)が低下している。
- ドッグフードが食べづらい。
- ドッグフードをおいしく感じていない。
- 病気や何かしら不調がある。
最後の6番の場合は、必ず動物病院を受診するようにして下さい。まったくご飯を食べない、下痢や嘔吐をするなど何か症状がある場合は病気が疑われます。
シニア犬がドッグフードなどのご飯を食べない理由とそれぞれの対処法については、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみて下さい。
シニア犬(老犬)におすすめの柔らかいドッグフードはどれ?
ドライフードをふやかすのが面倒、できることなら初めから柔らかいドッグフードを食べさせてあげたいと思う場合もあるかと思います。
柔らかいドッグフードには、
- 半生フード:水分含有量25~35%(ソフトドライフードとセミモイストフードがある)
- ウェットフード:水分含有量60~87%(缶詰やパウチなどがある)
の2タイプがあり、どちらを選ぶかは愛犬の体質や健康状態、そしてライフスタイルによって変わってくるでしょう。
ただし、半生フードは品質も安全性も文句なしの商品がほとんどありません。
ほとんどの商品に危険性のある化学合成物質が使われているため、選び方やおすすめの半生フードについては以下の記事をぜひ参考にしていただけたらと思います。
またウェットフードに関しては、ここ最近レベルの高い商品が増えてきています。
とは言え、こちらも同じく選び方にはまだまだ注意が必要なので、おすすめのウェットフードや基本的な知識は以下の記事でまとめてみました。
何歳からシニア犬(老犬)に合わせたご飯に切り替えればいい?
一般的には「7歳からがシニア犬」と言われていますが、実は小型犬・中型犬・大型犬ではシニア期に入る年齢が異なります。
大きさ | シニア犬 | 高齢犬 |
---|---|---|
小型犬 | 6~8歳頃から | 11~12歳頃から |
中型犬 | 6~8歳頃から | 11~12歳頃から |
大型犬 | 5歳頃から | 8~9歳頃から |
大型犬は子犬の期間が約1年半と長いのですが、それ以降は小型犬・中型犬よりも急速に成長していくのが特徴です。
全ての犬が同じ年齢ということはなく、犬種・個体差によってシニア期を迎える年齢が異なります。もちろん運動量や生活環境、食生活によっても体内年齢は変わってきます。
ここで示した年齢はあくまでも目安になりますので、切り替えるタイミングは愛犬の体質や食欲をよく観察して決めてみましょう。