柴犬は皮膚病にかかりやすいことでも有名な犬種です。その理由として、もともとアレルギー体質として生まれてくる柴犬が多いことが挙げられています。
しかしこの皮膚病、厄介なことに症状や原因がひとつではありません。そのため、何が原因になっているかで治療法や対策方法がガラリと変わってきます。
そこで、柴犬がかかりやすい代表的な皮膚病を2つ紹介したいと思います!犬に多い皮膚病全般に関しては【犬に多い皮膚病の種類】かさぶたや体が臭い原因は?薬だけで治る?で解説していますので、こちらもぜひ参考にしてみて下さい。
柴犬の皮膚病は「アレルギー」が主な原因!
柴犬はアレルギー体質として生まれてきやすい犬種です。その割合は約80%にのぼるとも言われ、10匹いたら8匹が何かしらのアレルギー反応を起こすと言われています。
しかもアレルギー体質の犬は、皮膚のバリア機能も弱い特徴があります。そのためアレルギー反応を起こすと、必ずと言っていいほど「皮膚病」として症状が出やすいのです。
つまりアレルギーを発症させなければ、深刻な皮膚病を免れるという訳なんですね。しかしそのためには、アレルギーを発症させる「アレルゲン」を特定する必要があります。
そこで、柴犬がなりやすい2つのアレルギー性皮膚炎を紹介します。それぞれの原因や症状の特徴について学び、深刻な皮膚病になる前に予防をしてあげましょう。
柴犬にとても多い「アトピー性皮膚炎」
アトピー性皮膚炎は室内で飼われている柴犬に多く見られますが、この皮膚病は遺伝的要因が強いため、室内外問わず発症するケースが多い皮膚病です。
- カビ・ダニ・真菌・花粉・ほこりなどのアレルゲン
- 遺伝的な要因
症状
- 強いかゆみ
- 患部の乾燥
- 発疹やただれ
- 脱毛
- 色素沈着
症状が現れる部位は特に決まっておらず、全身どこにでも強いかゆみを発症します。中でも、目・口周りと頭部は症状がひどくなるケースが多いようです。
特徴としては、皮膚が赤黒くなる、発疹が出る、頻繁に掻いている、脱毛、かゆい所を舐めるといった行動が見られます。
治療法
アトピー性皮膚炎の治療には、炎症やかゆみを抑えるためのステロイドや抗ヒスタミン剤などを投与する方法、それから皮膚が乾燥しないよう保湿剤を塗る方法などがあります。
予防法
アトピー性皮膚炎は、何が原因になっているのかを特定するのに時間がかかります。なぜなら、それだけ原因となるものが身の回りに溢れているからです。
日頃から飼い主さんができることとしては、室内を清潔に保つこと(こまめな掃除と換気)と、柴犬の体を清潔に保ってあげることです。シャンプーなら月1回すると良いでしょう。
とくに梅雨時期は症状が悪化しやすいので、湿気がこもらないよう十分注意して下さい。
アトピー性皮膚炎を悪化させないためには、必ず動物病院でアレルゲンを特定してもらうこと。そして、生活環境の中からアレルゲンを取り除いてあげることが何より重要になります。
最近増えてきた「食物アレルギー性の皮膚炎」
食物アレルギーによる皮膚炎は、アレルゲンとなる異物に触れたり口にすることで発症します。もっとも代表的な食べ物と言われているのが「ドッグフード」です。
ドッグフードが悪いというよりも、そこに含まれているタンパク質や炭水化物、そして添加物類が食物アレルギーを引き起こすのではないか?と言われているようです。
- 牛肉、豚肉、ささみ、小麦、とうもろこし、大豆、乳製品など
症状
- 赤み(脇の下、内股、指の間、顔、肛門まわりなど)
- かゆみ
- 発疹
- 下痢
- 嘔吐など
食物アレルギー性の皮膚炎を発症すると、体のかゆみ以外にも目や口周り、耳の奥、肛門や陰部周りにもかゆみを見せるようになります。
また、下痢や嘔吐など消化器症状も同時に引き起こすのが特徴的です。
治療法
食物アレルギーを発症してしまった時の治療法としては、まず最初にアレルゲンを特定し、それらを含まない食事を与え続けて改善していく方法が一般的な治療法になります。
同時に皮膚のかゆみが出ている場合は、かゆみ止めなどを使用して症状を和らげていきます。
予防法
食物アレルギーを予防するためには、犬がアレルギーを起こしやすい食材を与えないよう工夫することが何より重要です。
本当はアレルギー検査でアレルゲンを特定してもらうのが理想ですが、費用も時間もそれなりにかかるため、まずは与える食材に気を配ることから始めるしか方法はありません。
とくにドッグフードは、アレルゲンとなりやすい食材がたくさん含まれています。あまりにも安いもの、そして添加物やワケの分からない原材料が入っている商品は避け、本当に良質な素材だけを使用している商品に切り替えるようにしましょう。
ちなみにこちらでは、柴犬のアレルギー対策におすすめなドッグフードを紹介しています。アレルギー体質が多い柴犬だからこそ、この機会にドッグフードを見直してみませんか?
柴犬の皮膚病で悩む飼い主さんは後を絶ちません。実際に皮膚病で毛が薄くなったり脱毛している柴犬も時たま見かけるので、決して珍しい病気ではないんだということが伺えます。
遺伝的な場合もあるのでこればかりは仕方のない部分もありますが、飼い主さんの意識次第では深刻な皮膚病に侵される前に予防してあげることは十分可能です。
だから今一度、皮膚病の原因について詳しく知ってみてはいかがでしょうか?アレルギー検査は決して安いものではありませんが、受けてみる価値は十分あると思いますよ。