
小さな体にくるんと巻いた尻尾がなんとも可愛らしい柴犬。そんな愛くるしい姿から、今やすっかり柴犬ブームとなっています!
しかしその裏では、柴犬のしつけに悩まされている人が後を絶たないのも事実…。子犬の時からしっかりとしつけていなかったことが主な原因となっているようです。
そこで当サイトは、柴犬の子犬の飼い方についてまとめてみました!気になる餌の量・散歩の頻度・噛み癖など、あらゆる疑問について解説していきたいと思います。
目次
柴犬は何歳までを「子犬」と呼ぶの?
まず柴犬の場合、何歳くらいまでを「子犬」と呼ぶのでしょうか?しつけや飼い方の解説へ入る前に、まずはおおよその年齢と区分について見ておきましょう。
幼犬 | 生後0日~2ヶ月目 |
子犬 | 生後3ヶ月~1歳半 |
成犬 | 2歳~5歳 |
シニア犬 | 6歳~13歳 |
高齢犬 | 14歳~20歳 |
柴犬に限らず、犬というのは人間よりも圧倒的に早く歳をとっていきます。「まだ2年目だから子犬だよ」ということはなく、その時はもうすでに人間で言う20代前半のお年頃。
このことを知っておくと、子犬のしつけは人間の年齢感覚でしてはいけないということが分かるかと思います。
柴犬の子犬を育てるために大事な2つのこと!
柴犬を上手に育てるためには、柴犬の一般的な性格や特徴を事前によく把握しておくことが大切です。性格や特徴については【柴犬の性格まとめ】愛嬌がある?警戒心が強い?飼い方のコツは? で解説していますので、こちらもぜひ併せて参考にしていただければと思います。
では、柴犬の子犬を育てるために大事なこととは何なのか?基本的なことを2つ紹介していきましょう。
おうちに迎え入れた時はそっとすること!
子犬の柴犬をおうちに迎え入れた時、注意しておきたい点が2つあります。
- 迎え入れてから3日間は、必要以上に構わずそっとしておくこと。
- 子犬の平均睡眠時間は18時間くらいなので、むやみに起こさないこと。
この2つは必ず守るようにしましょう。
新しい環境にやってきた子犬はとても神経質になっています。柴犬はもともと過剰なスキンシップを好みませんので、ベタベタと触りたい気持ちをグッとこらえることが大切です。
慣れないうちから人間のペースで構ってしまうと、それがストレスとなって下痢や嘔吐などを引き起こしてしまう可能性もあるので注意しましょう。
おうちに慣れてきたら徐々にしつけをスタート!
子犬がおうちに慣れてきたら、徐々にしつけをスタートします。この時もやはり必要以上に触るのではなく、まずはそっとスキンシップをとりながら子犬の様子を伺ってみて下さい。
しつけの順番はとくに決まりはありませんが、理想はこんな順番ですね。
- 人間が体を触っても嫌がらない訓練
- トイレトレーニング
- お留守番トレーニング
ちなみに、柴犬の子犬期は室内で暮らすのが基本です。いきなり外飼いをしてしまうと、外の気温に慣れず体調を崩したり、人間とのコミュニケーション不足で性格のキツイ柴犬に育ってしまう可能性もあります。
できるだけ生後6ヶ月目くらいまでは室内で過ごさせ、人間社会の秩序や家族のルールをしっかり教えましょう。
【餌の量と回数】柴犬の子犬にはどれくらいが目安?
さて次に、柴犬の子犬に与える餌の量と回数について触れていきましょう。
餌については、生後からどのくらい経っているのか?で量や回数が変わってきます。あくまでも目安ではありますが、まずはこちらの表を参考にしてみて下さい。
生後3週間未満 | 母乳あるいは子犬用ミルク |
生後3週間~1ヶ月 | 1日4~5回 |
2ヶ月~3ヶ月 | 1日3~4回 |
4ヶ月~7ヶ月 | 1日2回 |
8ヶ月~1歳半 | 1日2回 |
犬の体重÷40=1日に必要な食事量
※体重1kgあたり50~150kcalが理想
生後3週間~1ヶ月
子犬の柴犬をブリーダーやペットショップから引き取った場合、それまでに口にしていた食事と同じものを与えることが鉄則です。食事内容だけでなく、食事の回数・量・硬さなども同じようにして与えます。
犬というのは環境の変化にとても敏感です。神経質になると消化不良などの胃腸障害が起きやすくなるため、必ずブリーダーやペットショップに何を食べさせていたか確認しましょう。
2ヶ月~3ヶ月
この頃から、少しずつ硬いフードに慣らしていきましょう。乳歯も生えそろうので、硬い物も徐々に食べられるようになっているはずです。
この時ももちろんいきなり新しい餌に変えるのではなく、これまでに与えていた離乳食などを混ぜながら与えていきます。また、しつけに伴うおやつも開始して大丈夫ですよ!
4ヶ月~7ヶ月
成犬としての体つきになってくる頃です。これまで増え続けていた体重も収まるため、少しずつ餌の量と回数を減らしていきましょう。
成長が落ち着いてきているのにいつまでも子犬期と同じ量の餌を与えてしまうと、栄養過多になって肥満や消化不良を起こす原因となります。
8ヶ月~1歳半
この頃になると、ようやく消化器官系も発達し安定します。硬いドライフードをそのまま与えるようにしましょう。
これまでは回数多めに与えていた餌も、この頃から徐々に一回の量を増やして回数を減らしていきます。消化器官系が安定したからとは言え、おやつの与えすぎには注意が必要です。
柴犬の子犬に必要な散歩時間や頻度は?
餌の量について学んだら、今度は散歩についてです。いつから柴犬の子犬を散歩させていいのか?散歩時間や頻度はどれくらいがベストなのか?について解説していきます。
柴犬の子犬の散歩デビューはいつから?
柴犬の場合、散歩は生後6ヶ月を過ぎた頃から行うようにしましょう。それまでは、庭やバルコニーなどの限られた範囲内で遊ばせるだけで十分です。
くれぐれも「社会化期のうちに散歩デビューさせよう」などと思ってはいけません。これにはちゃんと理由があるので、いくつかお伝えしておきますね。
- 犬本来の習性がまだ身についてないから。
- 人間社会の秩序や家族のルールを中途半端に身につけているから。
- 上下関係をよく分かっていないから。
- 飼い主さんをリーダーとして認識してないから。
- 感染症にかかってしまう恐れがあるから。
つまり家の中での社会やルールを身につけないまま散歩デビューをしてしまうと、外の社会を上手に学ぶことができません。またワクチンの回数が中途半端だと免疫力が十分についていないため、あらゆる感染症にかかりやすくなります。
まずは家の中で飼い主さんとの信頼関係をしっかりと築き、免疫力がしっかり備わった頃から散歩デビューさせるようにしましょう。
散歩は体重と同じくらいの距離が理想!
柴犬はとにかく運動が大好きです!成犬にもなれば近所をグルッと軽く歩き回るといった散歩は通用しません。
基本的に柴犬は、体重と同じくらいの距離を散歩させるのが理想と言われています(8kgなら8kmといった感じ)。筋肉量も多く骨密度が高いですから、その体格を維持するためにもたっぷり運動させることは欠かせません。
ただし、散歩デビューしたての子犬をいきなり長距離歩かせるのはNGです。怖がりで神経質な性格にならないためにも、少しずつ外の様子に慣れさせながら散歩させましょう。
散歩の頻度はどれくらいがベスト?
柴犬の理想的な散歩頻度は1日2回です。とは言っても、2回とも長距離を散歩させるわけではありません。1回につき30分程度の散歩を朝と夜に分けます。
ただし、必ずしも朝と夜にしなければならないというわけではありません。日によって、あるいは季節によって時間帯を変えてあげましょう。
柴犬子犬の噛み癖と甘噛みの対策方法!
柴犬に限らずですが、子犬の噛み癖で悩まされる飼い主さんは多いですよね。子犬とは言えど、噛む力は成犬並みなので、早めにしつけて癖を直しましょう!
子犬の噛み癖は、基本的に3つの理由からなることが多いようです。その3つの理由を踏まえながら対処法を解説していきます。
もっと構ってほしくて噛む場合
もっと飼い主さんに構ってほしくて、甘噛みや本気噛みをして気を引こうとするケースです。この場合は子犬の方から近寄ってくることが多いでしょう。
しかし、ここで甘やかして構ってしまうと「この人は自分の言うことを聞いてくれる人だ」と子犬が認識するようになるので要注意。主従関係がめちゃくちゃになり、ワガママで自分勝手な犬に成長してしまいます。
この場合は、目を合わせず無視し続けることが一番です。可哀想と思うかもしれませんが、これは柴犬と飼い主の関係を良好なものにするために大切なこと。これを何日も繰り返せば、やがて子犬は「噛んでも無駄なんだ」と学習して噛まなくなります。
遊びの延長線上で噛む場合
無邪気にじゃれ合っていると、たまにその延長線上で思いっきり噛んでくることがあります。こんな時に飼い主さんが「痛い!」と言って興奮してしまうと、子犬は「喜んでくれてる」と勘違いしてさらに噛み癖がひどくなることもあるようです。
噛まれた時に、子犬の口吻(マズル)を握って「ダメ!」と厳しく叱りましょう。もしくは何も言わずスッと立ち上がり、子犬の側から離れます。子犬に「悪いことをした」と思わせることが重要なので、遊んでるように見える仕草でしつけをしても効果はありません。
触られるのが嫌で噛む場合
もともと柴犬は、人から触られることを苦手としている犬種です。そのため必要以上にスキンシップをとると、噛んで威嚇してくることがあります。
とくに警戒心が一層強い柴犬だと、噛む前に唸ってくることもあるほどです!その時は「警戒してるんだ」と判断し、むやみに触れないようにしましょう。
もし触ろうとする度に噛む仕草を見せる場合、そんな時はまず背中からそっと触って下さい。嫌がる様子がなければ、次は首元を触ります。そして足、顔、尻尾、耳、口の中といった順に、数週間かけてスキンシップをとっていきましょう。
万が一しつけの段階で本気噛みをしてきたら、その時は必ず厳しく叱って下さい。でなければ、子犬は「噛めば触ってこない」と学習してしまいます。
柴犬子犬の夜鳴きはこうやって対策しよう!
子犬はよく夜鳴きをします。これは単純に「寂しいから」という理由で吠えることが多いので、なるべく子犬が安心できる環境をつくってあげましょう。
- 飼い主が見えるところにサークルを移動する。
- 飼い主のニオイがする大判タオルや毛布を与える。
このようなことをしてあげるだけでも子犬の夜泣きが改善され、近所の人から「鳴き声がうるさい!」などと怒られることもありませんよ。
ただしそれでも夜鳴きが治まらない場合、もしかしたらどこか具合が悪い可能性もあります。様子がおかしい時は、必ずかかりつけの動物病院で相談しましょう。
柴犬子犬の【トイレトレーニングの仕方とコツ】
柴犬のトイレトレーニングは、他の犬種に比べると比較的簡単と言われています。そんなトイレトレーニングについて、分かりやすく解説していきます。
まずはサークルの中でトイレを覚えさせる!
柴犬のトイレトレーニングを成功させるために大事なこと。それは、サークル内でのトイレができるようになるまでは生活の拠点をサークル内にすることです。
なぜなら、家のあちらこちらで排泄をしてしまうからなんです…。しかも一度その場所でしまうと、そこで排泄を繰り返すので注意しなければなりません。
もしサークル内での排泄に成功したら、その時は思いっきり褒めてサークルから出してあげましょう。すると「ここでトイレをすれば外に出られる」と学習してくれます。
いつでもサークル内でトイレができるようにしておく!
サークル内でのトイレに成功して外へ出す場合、必ずサークルの扉は開けておきましょう。なぜなら子犬は1~2時間おきにトイレをします。
もし子犬がサークル外でトイレをしたがる様子を見せたら、すかさず飼い主がサークルまで誘導して下さい。これを繰り返すことが大切です。
それと、柴犬はとっても清潔できれい好きです。トイレが汚れていたり、あまりにも寝床と近いとなかなかトイレをしてくれないので気をつけましょう。
【番外編】柴犬の子犬のシャンプーは意外と簡単!
柴犬の子犬時代は室内で飼うので、意外と外にいる時よりもにおいやすくなります。月に1度はシャンプーをして、皮膚や被毛を清潔に保ちましょう。
- 成犬用のシャンプー液を2倍に薄めておく。
- 軽くブラッシング(嫌がる部位は無理にブラッシングしないこと)。
- シャワーの温度を36℃くらいに設定して手で確認。
- 弱めの水圧でシャワーを体全体にかける(顔と頭部は避ける)。
- 薄めたシャンプー液を使いながら足先、お腹、お尻を丁寧に洗う。
- シャワーでしっかりと洗い流す。
- 顔と頭部を濡れタオルで拭く。
- 乾いたタオルで体全体の水分をしっかり取る。
- ドライヤーでお腹から丁寧に乾かしていく。
難しいことはとくにありません♪柴犬はもともと短毛なので、コツさえ掴めばとても簡単にシャンプーできますよ。
柴犬の子犬を上手にしつけるためには、甘やかしは絶対にNGです。だからと言って、叩く・殴る・蹴るなどの体罰は絶対にしないで下さい。
「体罰も必要」などと書かれているサイトもありますが、体罰は子犬の性格を悪い方向へと変えてしまうだけです。人間恐怖症になり、他人や他の犬に危害を加える原因となります。
立派な柴犬に育て上げるためには、愛情をもってしつけをすることです。上手にできたら思いっきり褒める、失敗したらご褒美抜きにする…こんなことでも十分なんです。
飼い主との相性というよりも、飼い主がどれだけ犬の習性と柴犬の性格を理解できているかがカギとなります。