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近所迷惑になる前に!柴犬が吠えるようになった3つの理由としつけ法!

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柴犬のしつけに関する悩みでもっとも多いのが「吠える」への対処法です。以前はおとなしかったのに、最近やたら吠えるようになったという声もよく聞きます。

犬は吠えることでもコミュニケーションをとる生き物ではありますが、住宅街や賃貸でずーっと吠え続けてしまっては近所迷惑になってしまうことだってありますよね。

そこでまずは、柴犬がやたら吠えるようになってしまう理由について知ってみましょう。その上で、吠え癖への対策方法について学んでいただけたらと思います!

動物専門学校講師_石井香絵先生
監修者
獣医師 / ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets 代表
石井 香絵
大学卒業後、動物病院で勤務し、アメリカNY州コーネル大学獣医学部Animal Behavior Clinic、キャンザス州のWestwood Animal Hospitalでの経験を経て帰国。現在では犬猫の問題行動の治療を専門とし、セミナーや執筆活動、メディアなど幅広く活躍。動物専門学校講師を務める。主な著書に「愛犬をやさしく癒すクリスタルヒーリング」がある。愛犬ボーダーテリアとドッグダンスをするのが趣味。

柴犬が吠えるようになってしまう3つの理由!

柴犬はもともと縄張り意識が強く、同時に警戒心も強い犬種です。なので、不審な人物が近づいてきた時や予期せぬ恐ろしいことが起こった時は吠えやすい傾向にあります。

これは柴犬本来の習性でもあるので仕方がありません。むやみに怒るのはやめましょう。

ただし柴犬は、不必要な時に吠えるといったことはあまりしません。わかりやすく言えば、無駄吠えがもともと少ない犬種です。

じゃあなぜ、やたら吠えるようになってしまう柴犬もいるのでしょうか?それには以下の3つの理由が隠れているので見ていきましょう。

  1. 必要以上に警戒しているから。
  2. 自分の要求を満たしたいから。
  3. ストレスが溜まっているから。

柴犬は、吠える必要がある時とそうでない時をきちんと理解できる犬種だと言われています。なのでやたら吠えている場合、上記のような理由が隠れていると思った方がいいでしょう。

そこで次に、それぞれを詳しく解説していきたいと思います!

警戒心や恐怖心から吠えるようになる

柴犬はもともと警戒心が強いとお話ししましたが、その警戒心をさらに強くしてしまうキッカケというものがあります。それは子犬時期の経験不足です。

子犬の時期というのは、いろんな経験を積む大切な時期でもあります。家族以外の人や他の犬とたくさん出会ったり、車や工事、掃除機の音を聞いたりなどとにかくいろんな経験です。

ちなみにこれを「社会化」と言うのですが、社会化不足の柴犬は成犬になると警戒心がより一層強くなります。そしてこのような柴犬は、決まって吠えやすくなるという特徴があります。

中には、社会化不足のせいで恐怖心が強くなる柴犬もいるでしょう。どんなことにも怯えるようになり、威嚇して吠えるようになる子もいるようです。

対策方法

子犬のうちから社会性を身につけるのが理想ですが、成犬になってからでも努力次第で社会性を身につけることは可能です。たとえば、以下のようなことを繰り返し日常に取り入れてみましょう。

  • 公園やドッグランへ連れて行く機会を増やしてみる。
  • 散歩中に出会う犬と少しずつ距離を縮めてみる。
  • 寛いでいる時にいろんな音を聞かせて慣れさせる。
  • 知らない人を見る機会を増やす。
  • トリミングサロンでシャンプーをしてみる。

社会化不足からの吠えは、結局のところ接し方や触れ合い方がよく分からなくて警戒心が先立っているからということになります。ちょっと困惑…といった感じですね。

だから、いろんな経験を通して、その中で「この人・犬・場所・空気は安心して大丈夫だよ!」ということをたくさん教えてあげましょう。

ただし、子犬の時期の社会化も成犬になってからの社会化も、どちらの場合も犬が無理せず新しい刺激や環境を楽しみながら経験していくことが大切です。

犬が怖がっている状態ではよい体験には結びつかず、余計に苦手になってしまうこともあります。

おやつやおもちゃを上手に使ったり、飼い主の声で誉めてあげたりすることで、恐怖心や警戒心は少しずつ緩和していきます。

自分の要求を通すために吠える

自分の要求を通すために吠えるのが「要求吠え」です。

生後4か月齢を過ぎると吠える行動が出てきますが、これに対しついつい飼い主さんが愛犬の要求を叶えてしまうことで、気づかないうちに吠えを強化してしまうことがよく起こります。

とくに以下のようなシーンで「要求吠え」が見られるようになります。

  • 散歩に行きたい時。
  • お腹が空いた時。
  • 与えられた餌以外のものが欲しい時。
  • 寂しい時。
  • 構ってほしい時。

まさに自分の欲求不満を満たすための吠えですね。「吠えれば自分の願いが叶う」という成功体験を繰り返すことで吠える頻度も多くなってきてしまいます。

他にも、吠えるたびに構う・大声で怒る・叩く・マズルを握るといった対応は、犬を余計に興奮させてしまったり、飼い主との信頼関係をなくしてしまったりする方法になるため、おすすめできません。

対策方法

要求吠えは飼い主が無意識的に犬の吠えに反応してしまっていることで悪化することがほとんどです。

犬が要求吠えをするときは必ず飼い主に向かって吠えます。飼い主に向かって吠えたら「無視」をすることが効果的です。

ただし、なかなか愛犬を無視することは難しいのではないでしょうか?

無視とは「犬を見ない・触れない・話しかけない」、この3つが合わさることではじめて成立します。

この3つを犬に分かりやすく伝えるには、犬のいる場所から飼い主さんが立ち去ることが一番です。

犬を無視すると、始めは逆に吠えが悪化します。

なぜならば、いままで吠えて要求を見たされていたため、犬は「あれ?おかしいな?なんで要求が受けいれられないのだろう?それならもっと吠えてみよう」となるからです。

吠えても自分の要求が通らないという新しいルールを理解すると、要求吠えはなくなります。

また、犬が吠えていない時やリラックスしている時、自然にオスワリやフセなどをしている時に、「いいこ」と声をかけてあげたりおやつをあげたり、おもちゃで遊んであげたりしてみましょう。

そういった飼い主さんの行動により、犬は吠えないと褒めてもらえる、遊んでもらえる、おやつをもらえるということを学習します。

ぜひ吠えていない時に犬とのコミュニケーションを増やしてみましょう。

できれば「マテ」「オスワリ」「フセ」などのコマンドもできるようにしておきたいものじゃ。コマンドを覚えさせることは、良い関係を築くためにも有効な方法と言えるぞ!

ストレスが溜まっていて吠える

柴犬に限らずですが、犬はストレスが溜まると吠えるようになります。ストレスを発散させる方法がないので、吠えたり噛みついたりすることで発散させようとします。

とくに以下のようなことがずっと続くと、犬のストレス度はマックスに達するので十分に注意しましょう。

  • 散歩の量が少ない。
  • 室内にこもってばかりで運動不足。
  • 飼い主さんとのコミュニケーション不足。

柴犬は非常に多くの運動量を必要とする犬種です。散歩の量が少なかったり、思いっきり動ける範囲が狭かったりすると、それだけで一気にストレスが溜まることがあります。

対策方法

まずは何がストレスになっているのか?その原因をちゃんと見つけ出してあげましょう。その上で、適切な対策方法をとることです。

たとえば散歩に不満がある様子なら、散歩の量や質を見直してあげましょう。

散歩の量は、その日の気温・犬の年齢や体調に合わせて、臨機応変に変えてあげるのがおすすめです。若い柴犬であれば1日1時間程度の散歩はしてあげましょう。

散歩の質(内容)としては、同じ散歩ルートではなく異なる散歩道を選んだり、一緒にかけっこをしてあげたり、ロングリードを装着してボール投げをしたりなど。

散歩の時間は飼い主と犬との大切なコミュニケーションの時間でもありますので、アイコンタクトやオスワリができたら誉めてあげましょう。

柴犬が満足するコミュニケーションのとり方ですが、個体差はあるものの柴犬の場合、常に飼い主にべたべたされるのは苦手な子が多いです。

自分の空間や時間も大切にしたい気持ちがあるのは和犬の特徴の1つです。

遊びや散歩のタイミングは飼い主さんの方から誘い、そのときの犬の反応を見て、遊んだりトリックを教えたり、散歩を開始するなどのコミュニケーションをとってあげましょう。

ただし、吠えた時だけに構うといったことはしないようにしてください。これは要求吠えを助長させる行為です。

思い通りにいかなくても体罰は絶対にダメ!

サイトによっては「体罰も大事」と書かれていますが、犬に対して叩く、叩く真似をしておどす、蹴る、首をつかまえる、過度にリードで修正するなどの行動はおすすめできません。

このような乱暴なしつけは犬との信頼関係をなくすばかりか、人の手を怖がるようになったりとほかの問題が誘発される原因になる可能性があります。

体罰が絶対にダメな理由

犬が吠えるたびに体罰を加えると、今度は以下のような新たな問題が浮上してきます。

  • 自分を守ろうと防衛的に吠えるようになる。
  • 飼い主が不在の際には叱る人がいないため吠えてしまう。
  • 人の手を怯えるようになる。
  • 防衛的に攻撃してくるようになる。

間違ったしつけ法で吠える癖を直そうとすると、犬は今以上にストレスを感じてしまいます。そうなると今度は違った形でストレスを発散させようとするので本末転倒です。

吠えを改善させるさまざな道具があります。

よく使われるのは首に装着させる首輪タイプです。吠えると振動や超音波が発動する、香りのついたスプレーが噴射するものなどがあります。

これらの道具は犬が興奮して吠えている場合は効果的なこともありますが、不安や葛藤を感じて吠えている場合は逆効果になる場合もあるため、注意が必要です。

また、電気が流れる首輪や声帯切除手術を選択することは、動物福祉の観点からおすすめできません。

まとめ

犬にとって吠えることはコミュニケーションの1つですが、飼い主さんや屋外の音に対してずっと吠えてばかりいては実際のところ困ります。

柴犬の吠えを改善させるためには、以下の5つのポイントを押さえましょう。

  1. 犬の心理を知り、それにあわせた方法で吠えを改善させる。
  2. 吠えていない時に褒めることを忘れずに行う。
  3. 日頃から犬と正しいコミュニケーションをとるようにする。
  4. 専門の先生やトレーナーにアドバイスをもらう。
  5. 飼い主さんとのコミュニケーションの質や量をもう一度見直す。

吠えの改善のためには、まず犬がなぜ吠えているのか犬の心理を知ることが大切です。その心理にあわせた方法をとるようにしましょう。

また、日頃から遊びや散歩を介して愛犬と正しいコミュニケーションをとるように心がけてください。飼い主の言葉に耳を傾ける習慣がないと、叱っても聞く耳を持つことが難しいことがあります。

中には、分離不安症や音恐怖症など不安症が原因で吠えるケースもあるため、心配な場合は専門の先生やトレーナーに相談し、アドバイスをもらうようにしましょう。

興奮して吠えてしまう場合は、運動不足などのストレスが関係していることがあります。散歩や遊びの内容など、飼い主さんとのコミュニケーションの質や量を見直すことで改善につながるでしょう。

ただ、日本は住宅が密集している地域が多いため、どうしても犬が吠えることに敏感になってしまうんですよね。

近所迷惑にならないように…朝夜に吠えないように…と神経質になってしまう部分もあるため、それが逆に柴犬の吠え癖を助長させているのかもしれません。

飼い主さんが正しい接し方としつけ方さえ理解していれば、どんな犬も自ずと吠え癖が治まりますよ。

まずは今一度、愛犬への接し方を見直してみてはいかがでしょうか?

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