ドッグフードの保存はどのように行っていますか?ドッグフードの特性に合わせて、適切な保存方法を心掛けているでしょうか?
「どうせ加工品だからちょっとくらい大丈夫!」と勘違いをされている飼い主さんが結構いらっしゃるのですが、ドッグフードには脂肪分が必ず含まれているので保管の仕方には十分気をつけなければなりません。
そこで今回は、ドッグフードの正しい保存方法について詳しくまとめてみました!フードの種類による保存方法の違いや、おすすめの保存容器などもたっぷり紹介していきます。
目次
なぜドッグフードの保存方法に注意が必要なのか?
そもそもなぜ、ドッグフードの保存方法に人一倍気をつけなければならないのか?
それは、ドッグフードには脂肪や油脂が必ず含まれているからです。これらは空気(酸素)に触れると徐々に酸化し、やがて過酸化脂質(脂肪のサビ)へと変化していきます。
そしてこの過酸化脂質を日常的に体内に取り入れてしまうと、細胞の老化現象や動脈硬化、心筋梗塞、ガン、アレルギーなどが誘発されやすくなります。
つまり、酸化して過酸化脂質が増えたドッグフードは犬の健康に悪影響を及ぼしてしまうということです。体内を老化させ、病気やトラブルを引き起こしやすくしてしまうので何ひとつメリットがありません。
ドッグフードの正しい保存方法を種類別に解説!
それでは早速、ドッグフードの正しい保存方法を種類別に紹介していきましょう。フードのタイプによって保存方法が異なるので、ぜひこの機会に押さえていただければと思います。
ドライドッグフードの保存方法
ドライフードは水分含有量が少ないので、ウェットフードとは異なり、開封後も保存がききやすいメリットがあります。
しかし、袋を開封した瞬間から空気に触れているため、脂質の酸化や栄養素・風味の損失などの劣化は始まっています。これを少しでも食い止めるためにほぼすべてのドライフードには酸化防止剤が使われていますが、その効力は永遠ではありません。
さらに食事の用意をするたび何度も袋を開けてしまえば、空気に触れる回数が増えるのでフードの劣化はますます加速します。そこでおすすめしたいのが、以下の2つの方法です。
- 小分けパックに移し替えて冷暗所に保管する。
- フードストッカーに袋ごと入れて保管する。
ちなみにどちらの方法を選んだとしても、初めて開封した日(初めて空気に触れた日)から1ヶ月以内にドッグフードをすべて使い切ることが基本です。とくに高温多湿になりやすい夏の時期などは、できるだけ早めに使い切るようにしましょう。
では、それぞれ詳しく解説していきたいと思います。
小分けパックに移し替えて冷暗所に保管する
ドッグフードを開封したら、そのあとはチャック付きの小分けパックに移し替えます。小分けパックはジップロックのような袋(100均にもたくさん売ってます)で構いません。
そして可能であれば、乾燥剤やシリカゲルなどの脱酸素剤も一緒に入れておきましょう。乾燥剤は100均やドラッグストアで販売されているので、気軽に購入できるかと思います。
ただし、乾燥剤が入っていてもいなくても、必ず空気を抜いてチャックをすることがポイントです。できるだけ空気に触れさせないことが大事なので、よりしっかり保存したい場合は真空パック器を利用して真空保存されると良いでしょう。
そして小分けにしたドッグフードを、今度は日光が当たらない涼しい場所に保管します。湿気が多い場所、気温が上がりやすい場所も避けて下さい。
ちなみに、冷蔵庫での保管はおすすめしません。フードを出し入れする際に結露が生じてカビの発生原因となるので、必ず常温(温度や湿度が低い場所)で保管するようにしましょう。
フードストッカーに袋ごと入れて保管する
空気を抜いて密封させたドッグフードの袋を、そのままフードストッカー(あるいはコンテナ)に入れて保管する方法です。さらに乾燥剤を入れておくとより効果的ですね。そしてこちらも、光の少ない涼しい場所で保管しましょう。
フードストッカーはペットショップやホームセンター、amazonや楽天などの通販サイトでも購入できます。シリコンパッキン付きのストッカーだと、密閉度が高いのでおすすめです。
袋から中身を全部出して保管する方法もありますが、個人的には袋を密封させたうえでストッカーに保管した方が衛生面でも間違いはないと思っています。
半生タイプドッグフード(ソフトドライ・セミモイスト)の保存方法
半生タイプ(ソフトドライ・セミモイスト)のドッグフードは水分を25~35%程度含んでいるため、ドライフードよりもカビが生えやすく、腐敗しやすいのが特徴です。
そのため、ほとんどの半生タイプのドッグフードは最初から50~100gの小分けにパックになっています。1袋ずつ乾燥剤が入っている商品も多いですね。
とはいえ、いくら小分けパックになっていても、開封後すぐに使い切れない場合もあるかと思います。そんな時は密閉容器に移し替えて(タッパーなどでOK)、冷蔵庫に保管してすぐに使い切るようにしましょう。
ウェットドッグフード(缶詰・レトルト)の保存方法
ウェットフードは未開封であれば長期保存可能ですが、水分を多く含んでいるので一度開封したら日持ちしません。
ドライフードや半生フードよりも早く腐敗・酸化が進んでいくので、開封後は密閉できる他の容器に移し替え、冷蔵庫に保管して2日以内に使い切るようにしましょう。
もしも使い切れそうにない場合は、初めから1~2日分をラップで小分けし、さらにチャック付きの袋などに入れて冷凍庫で保管することをおすすめします。そして使う分だけを冷蔵庫で解凍し、同じく2日以内に使い切るようにして下さい。
私が実際に使っているおすすめの保存容器はこれ!
amazonや楽天で見つけたおすすめの保存容器をそのまま紹介しても良かったのですが、ここでは敢えて実際に使っている保存容器を画像付きで紹介したいと思います!
まずは小分け用パック(上の画像)。我が家でドッグフードを小分けにしたり、出かける際に持ち運びする時は、100均で手に入る透明のチャック付きフリーザーパックを使っています。
そしてこちらは、同じく100均(セリア)で購入したおしゃれなアルミ蒸着ジップバック。光を遮るアルミ蒸着加工になっているので、高温多湿になりやすい時期に重宝します。
次は、イオンペットで購入したフードストッカー。
税込み1,008円という安さなのにも関わらず、フタにはパッキンが、さらにフードクリップまで付いています。
我が家で2kg以上のドッグフードを買うことはまずないので、このサイズを見つけたときは即買いでした(笑)
実際にドッグフードを袋ごと入れるとこんな感じですね。透明なストッカーも人気のようですが、このようにある程度遮光性のあるタイプを選んでおいた方がいいかと思います。
あと、もっとしっかりしたものがいい!という場合は真空容器がおすすめです。お値段はやや高めですが、酸化や雑菌の繁殖などをさらに抑えられるので保存期間も長くなります。
大袋のドッグフードを保存するおすすめの方法は?
大型犬を飼っている家庭や多頭飼いをされている家庭など、もともとドッグフードの消費が早い場合は、大袋のドッグフードを開封しても保存方法にそう困らないと思います。
しかし、小型犬や小食な犬に大袋を買ってしまった場合、消費が遅いので開封後の保存方法にかなり困ってしまいますよね。
まず結論から言うと、いくらお得でも、いくら送料削減になるからと言っても、愛犬の食事量に見合わない量のドッグフードを買うことはおすすめしません。
とくにブリーダーパックやコストコのカークランドドッグフードなどは、大容量で安いことからついつい愛犬のサイズを無視して購入してしまう飼い主さんも少なくありません。
少しでも節約したい気持ちは十分に分かりますが、愛犬の健康を考えて、できるだけ1ヶ月以内に使い切れる量のドッグフードを購入するようにしましょう。
最近はまとめ買い割引のあるドッグフードも増えてきましたから、そういった制度を利用してお得に購入されてみるのもいいかもしれません。
夏はどのようにドッグフードを保存すればいいの?
日本の夏は暑くて湿気も非常に多いので、ドッグフードの保管環境が悪いとあっという間にカビや細菌が繁殖してしまいます。
ドッグフードの劣化を少しでも防ぐためにも、キッチンや熱がこもりやすい場所に保管することだけは絶対に避け、その上で先ほど紹介した保存方法を参考にしながら適切な保管を心掛けましょう。
ふやかしたドッグフードはどのように保存すればいいの?
こちらも結論から言うと、ふやかしたフードを保存することはおすすめしません。というより、保存せずに廃棄するようにして下さい。
よく「ふやかしたドッグフードを作り置きしても大丈夫ですか?」と聞かれるのですが、水分を多く含んだドッグフードは傷みやすいので、その日のうちに使い切るよう推薦しています。
冷蔵庫に入れておけば大丈夫なのでは?と思われがちですが、温めなおしてあげる時に雑菌が増えるのでおすすめしていません。
かと言って、冷たいドッグフードを食べてばかりいると今度はお腹を冷やす原因ともなりますから、結局のところふやかしたドッグフードは保存すべきではないと言えます。
ペットボトルでドッグフードを保存しても大丈夫?
ペットボトルでドッグフードを保存する方法ですが、実はこれも私はおすすめしていません。
なぜなら、直接口をつけて飲んだペットボトルは細菌が繁殖しやすい環境だからです。しかも、水で洗って再利用するペットボトルほど、細菌が繁殖しやすく不衛生であることが弘前大学の研究(2004年)で報告されています。
とは言え、ペットボトルは熱に弱いので熱消毒をすることはできません。つまり再利用には不向きということなので、ペットボトルでドッグフードを保存するのは避けておきましょう。
ホームセンターやドラッグストアで買えるような安価なドッグフードには、品質の劣化を抑えるために合成保存料や防カビ剤、酸化防止剤などが使われています。
たしかにこれらを使ったドッグフードは、賞味期限が長い、保存しやすいなどのメリットはありますが、犬の健康に良い影響を与えるものではありません。
だからこそ、できるだけ化学合成物質が使われていない無添加ドッグフードを選んでおきたいですよね。賞味期限が短い、酸化しやすいというデメリットはありますが、保存方法をしっかり身につけておけば上手に使い切ることができます。
身近にある容器や100均などをうまく活用し、楽しく賢くドッグフードを保存して新鮮さを保ってみましょう!