トイプードルがなりやすい病気(症状)としてよく挙がるのが「涙やけ」です。この涙やけ、実は原因がひとつではないことをご存知ですか?
主な原因としては粗悪なドッグフードが取り上げられますが、もちろんフードを改善しただけで涙やけが治らない子も実際にたくさんいます。
だからこそ、涙やけの本当の原因を知っておかなければなりません!そこで、涙やけになってしまう原因とそれぞれの予防法&対策法について詳しく解説していきたいと思います。
目次
涙やけの原因は先天性と後天性によって変わる!
冒頭でもお伝えしましたが、涙やけの原因はひとつではありません。
まず涙というのは、涙腺→涙管→鼻へと排出されるのが通常の流れになります。しかしその涙が何らかの要因で過剰分泌され、目から多量に出てしまうことで涙やけが起きるんですね。
そしてこの「何らかの要因」というのが先天性によるものなのか、あるいは後天性によるものなのかで原因が変わってきます。
先天性による涙やけの特徴
先天性による涙やけとは、生まれつき涙小管が細く、涙がスムーズに排出されずに起きる涙やけのことです。このような場合は、外医薬や手術で解決するのが一般的と言われています。
ちなみに最近は、鼻涙管の狭さを確認する「フローレステスト」が行われている動物病院も増えてきました。涙やけが先天性のものなのか後天性のものなのかを早めに知っておくためにも、有効な方法と言えるでしょう。
後天性の涙や毛の特徴
後天性の涙やけとは、鼻涙管に老廃物が蓄積して起こってしまう涙やけのことです。
老廃物が詰まると涙がスムーズに流れなくなってしまうため、鼻ではなく目から自然と涙が溢れるようになることが原因となっています。しかし、原因は老廃物の詰まりだけではありません。
- まつ毛や目の周りの毛などによる眼球へのダメージ
- ドライアイ・結膜炎・角膜炎・緑内障などの目の疾患
- ハウスダストや花粉などのアレルゲン
- 鼻炎などの症状
- 水分不足
- ストレス
- 粗悪なドッグフード
実は、後天性の涙やけの原因はこんなにもたくさんあります。なので「涙やけが酷いな…」と感じたら、まずは動物病院で何が原因になっているのか診てもらいましょう。
治療法は原因によってさまざまですが、動物病院から内服薬や点眼薬を処方してもらったり、ドッグフードや生活環境を変えるなどして改善していく方法が一般的のようです。
ただしこれらの原因は、日頃から予防していれば防げる問題でもあります。そこで、涙やけの原因別に予防法や対策法を紹介していきたいと思います!
【涙やけを改善!】7つの予防法と対策法!
私たち飼い主が日頃からできることはたくさんあります。この機会に涙やけの予防法や対策法を身につけ、重症の涙やけに悩まされないよう努力してみましょう。
1. まつ毛や目の周りの毛による涙やけ対策
まつ毛が原因の場合
まつ毛による眼球へのダメージの場合、ほとんどが逆さまつ毛によるものだと言われています。この場合は、定期的に逆さまつ毛を抜いてあげることで改善できます。
ただしどんな状況で逆さまつ毛になっているかは分からないので、必ず獣医さんに診てもらった後に行いましょう。場合によっては、まつ毛の矯正や永久脱毛といった方法も推薦されるようです。
もし飼い主さんが抜いてあげることで改善できる場合は、抜きすぎないようにだけ気をつけて下さいね。
目の周りの毛が原因の場合
トイプードルは目の周りも毛がモフモフしていますから、知らず知らずのうちに毛で眼球を傷つけている場合が多いです。
できるだけ月1回はトリミングへ行き、目の周りの毛もカットしてもらいましょう。こうすることで、毛による眼球へのダメージを防ぎ、涙が大量に出ることを防げます。
2. 目の疾患による涙やけ対策
残念ながら目の疾患に関しての予防法はありません。しかし日頃から愛犬の目を注意深く観察することで、早期発見・早期治療へと繋がります。
早い治療が涙やけの重症化も防げますので、様子がおかしいと感じた時はすぐに動物病院へ連れて行きましょう。目の病気については、こちらの記事の中で詳しく解説しています。
3. ハウスダストや花粉による涙やけ対策
ハウスダストや花粉などのアレルゲンは涙やけの原因となります。一年中涙やけが起こるわけではなく、決まった季節や場所で涙やけが起こる場合は花粉症の可能性もあるでしょう。
こまめに部屋の掃除をし、空気をきれいに保つことで改善されることもあります。何がアレルゲンなのか分からない場合は、動物病院でアレルギー検査をしてもらえますよ!
アレルギー検査の費用は動物病院によって異なりますが、大体2万円~3万円が相場と言われています。
4. 鼻炎による涙やけ対策
鼻炎を予防するためには、ワクチン接種を定期的に行うことが大切です。ただし原因はひとつではないため、日頃から栄養面や生活環境にも気を配って免疫力を高める必要があります。
また、芳香剤・香水・タバコのにおいなども鼻炎の原因となります。これらは鼻の粘膜を刺激する臭い物質なので注意しましょう。
鼻炎の治療は原因によって異なりますが、抗生物質や消炎剤の投与が一般的な治療法と言われています。
5. 水分不足による涙やけ対策
水分をとることは、涙やけの改善にも繋がります。そもそも体内の水分が少ないと、老廃物の濃度が濃くなってしまうんですね。おしっこの色も濃くなるのですぐに分かりますよ!
しかもその老廃物は、目や耳、毛穴などからも分泌されるようになります。すると次第に老廃物いっぱいの涙が出やすくなり、目の周りが汚れやすくなるのです。
これは決していいことではありませんので、新鮮な水をいつでも飲めるように用意しておきましょう。体重5kgのトイプードルなら1日約400mlの水分が必要だと言われています。
6. ストレスによる涙やけ対策
涙やけは運動不足やストレスでも起こりやすいです。なぜなら新陳代謝が低下して体液の流れを悪くするので、体に老廃物が溜まりやすくなるからです。
老廃物はドロドロとした涙をつくり出してしまう厄介者。放っておくと涙やけによる毛の汚れも酷くなるので注意しましょう。
トイプードルは非常に活発で運動量が豊富です。じっとしていることを好まない犬種なので、毎日の散歩は欠かさないようにして下さい。
ドッグフードによる涙やけ対策
「涙やけの原因はドッグフード」と言われるくらい、ドッグフードは涙やけの原因となりやすいものです。ただし個体差があるので、必ずしもドッグフードが原因になっているとは言い切れません。原因のひとつとして捉えるようにして下さいね。
ちなみに、なぜドッグフードで涙やけが起こってしまうのでしょうか?
- ドッグフードの原材料が合わなくてアレルギー反応が出ている。
- ドッグフードの添加物が体内に老廃物として溜まっている。
- ドッグフードに粗悪なタンパク質が使われている。
主にこの3つが、ドッグフードによる涙やけの原因と言われています。
涙や目に直接関係ないように見えても、実は食べる物によって涙腺や鼻涙管が詰まりやすくなることは医学的にも証明されています。だから今一度、与えている餌について見直しておきましょう。
涙やけが起きにくいドッグフードの選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています!愛犬の涙やけを今すぐ改善するためにも、ぜひ併せて参考にしてみて下さいね。
【涙やけの取り方】お手入れは定期的に行おう!
最後に、涙やけの取り方を紹介したいと思います。放置しておくと菌が繁殖して臭いの原因にもなりますので、定期的なお手入れが大切です。
- 市販の涙やけ用のローション(または人が使えるホウ酸水)
- 犬にも使えるガーゼ
ガーゼにローションを含ませ、目の周りを優しく拭いてあげます。
「あれ?なんか目の周りが濡れているな?」と思ったら、何かが原因で涙やけが起こっていると気づく意識を持つことが大切です。
放っておくのは衛生的にも良くありません。それに一日でも早く動物病院へ連れて行くことで、眼病やその他の病気の早期発見にも繋がることもあります。
涙やけだからと軽く考えず、愛犬の健康のためにも普段からできることをして予防してあげましょう。