料理中に「そういえば豆腐って犬に与えても良いのかな?」と疑問をお持ちになった方も多いでしょう。まず結論からお答えすると、豆腐は犬が安全に食べられる食材になります。
とは言え、与える時は適切な量・与え方・注意点などを知っておくことが大事です。こちらでは、豆腐と犬に関する情報をすべて分かりやすくまとめてみました◎
目次
犬は豆腐を食べても大丈夫!「木綿豆腐」「絹ごし豆腐」どちらも食べられる。
豆腐には、犬に対する危険な毒性が含まれていません。「木綿豆腐」「絹ごし豆腐」どちらも安心して愛犬に与えられる食材にカテゴライズされます◎
ちなみに栄養価がより高いのは「木綿豆腐」です。対する「絹ごし豆腐」はカロリーが低く、内蔵への負担が少ないというメリットがあります。
効率よく栄養を摂取したいなら木綿豆腐・肥満ぎみの愛犬や老犬には絹ごし豆腐を与えてあげるのが良いでしょう。
豆腐に含まれている主な栄養素とは!愛犬にとってのメリットを解説!
栄養素 | 期待できる効能 |
---|---|
タンパク質 | すべてにおいて重要な栄養素 |
大豆イソフラボン・サポニン | 抗酸化作用 |
オリゴ糖 | 腸内環境サポート |
カリウム | 健康バランスサポート |
リノール酸 | コレステロールの低下 |
豆腐は栄養価が高く、上質な植物性タンパク質として知られています。犬の健康サポートにも良い栄養素がたくさん含まれているので、適量を与えることはおすすめです。
こちらでは、豆腐に含まれている主な栄養素と犬へのメリットについてまとめてみました。順番にチェックしていきましょう。
タンパク質【すべてにおいて重要な栄養素】
豆腐には植物性のタンパク質が多く含まれています。タンパク質は炭水化物・脂質とともに、3大栄養素と呼ばれるエネルギー源のひとつです。(※1)
タンパク質はアミノ酸に分解された後、体に必要なタンパク質に再合成されます。体の代謝に働きかけるものや免疫系に関わっているもの等、様々な形に変化するんです!(※2)
犬が生きていくために、欠かすことのできない重要な栄養素だと言えます。
大豆イソフラボン・サポニン【抗酸化作用】
豆腐には、大豆イソフラボン・サポニンといった抗酸化作用が期待できる栄養素が含まれています。体に溜まった活性酸素という悪い成分を取り除いて、酸化を抑えるといった役割があるんです。(※3)
犬の皮膚・被毛を健やかに保つことはもちろん、歳を重ねてもイキイキと愛犬が過ごすために大事な栄養素だと言えるでしょう。
オリゴ糖【腸内環境サポート】
大豆には小糖というカテゴリーに入る、オリゴ糖が含まれています。オリゴ糖はビフィズス菌などの善玉菌と呼ばれる腸内細菌の栄養源になるんです。(※4)
善玉菌が増えることで腸内環境の改善をサポートし、お腹の調子が良くなったりします。(※5)エネルギー源にもなるので、愛犬の元気を素早くチャージしてあげたい時にも役立つでしょう◎
カリウム【健康バランスサポート】
豆腐に含まれているカリウムは、犬にとって必要なミネラルの一種です。余分な塩分を排出し、体液などの浸透圧を健康的なバランスに調節してくれます。(※6)
カリウムが不足すると脱力感・食欲不振などに繋がってしまうので、適度な摂取を心がけることが大事です。
リノール酸【コレステロールの低下】
豆腐の脂質部分に含まれているのが、オメガ6脂肪酸に分類されるリノール酸。犬の体内で作ることができないので、食品から摂取する必要があるんです。(※7)
リノール酸は、血中のコレステロールを上げにくいという特性を持っています。コレステロール値が高い・肥満が気になる犬との相性はとても良いです。
愛犬に豆腐を与える時のポイント。量・与え方・レシピまとめ!
こちらでは、愛犬に豆腐を与える時のポイントをまとめました。安全に食べられる1日の上限量・与え方・レシピなどをお伝えしていきますね!
【愛犬の大きさ別】安全に食べられる豆腐の上限量。
【木綿】 | 【絹ごし】 | |||
---|---|---|---|---|
犬の体重 | 目安量 | 何丁 | 目安量 | 何丁 |
1kg | 約15g | 約0.1丁 | 約20g | 約0.1丁 |
2kg | 約26g | 約0.2丁 | 約34g | 約0.2丁 |
3kg | 約35g | 約0.2丁 | 約46g | 約0.3丁 |
4kg | 約43g | 約0.3丁 | 約57g | 約0.4丁 |
5kg | 約51g | 約0.3丁 | 約67g | 約0.4丁 |
6kg | 約59g | 約0.4丁 | 約77g | 約0.5丁 |
8kg | 約73g | 約0.5丁 | 約95g | 約0.6丁 |
10kg | 約86g | 約0.6丁 | 約113g | 約0.8丁 |
12kg | 約99g | 約0.7丁 | 約129g | 約0.9丁 |
15kg | 約117g | 約0.8丁 | 約153g | 約1丁 |
20kg | 約145g | 約1丁 | 約189g | 約1.3丁 |
25kg | 約172g | 約1.1丁 | 約224g | 約1.5丁 |
30kg | 約197g | 約1.3丁 | 約256g | 約1.7丁 |
※木綿豆腐は100gあたり約73kcal(※9)絹ごし豆腐は100gあたり約56kcal(※10)として算出。
※避妊・去勢済みの成犬という条件で、1日に必要なカロリー量の10%を算出。
豆腐は「おやつ」「副食」として与えましょう。1日に与えるおやつの量は、必要摂取カロリーの10%程度に収めることが推奨されています。
上記の表では、犬の体重別で算出した必要摂取カロリーから、木綿豆腐・絹ごし豆腐のカロリーの10%にあたる量をまとめてみました。
ちなみに、1日のうちに豆腐以外のおやつを与えることもあるかと思います。総合的なおやつの量を考えた上で、豆腐の量を調節してみて下さいね。
初めて豆腐を愛犬に与える時は、まず少量から試してみるのが良いでしょう。与えた後にアレルギー・体調不良などが起こっていないかどうかを、しっかりとチェックする事が大切です。
豆腐は生でそのままor少し温めて犬に与えるのがおすすめ。
豆腐はパックから出したそのままの状態で犬に与える事ができます。まずはフォークなどを使って、食べやすいように豆腐を潰していきましょう◎
冷蔵庫に保存していた状態の豆腐は冷たすぎるので、常温に戻すorレンジなどで軽く温めてあげることをおすすめします。
レンジを使用する場合は、600Wで1分くらい温めてあげるだけで大丈夫です。
食べやすい温度になった豆腐を、ドッグフードにトッピングしてみました。この方法なら、いつも食べているドッグフードの匂いが残るので、愛犬も安心して食べる事ができるでしょう◎
愛犬への手作りご飯レシピ「豆腐ハンバーグ」
用意するもの
Lサイズの卵1個・豆腐150g・鶏ミンチ150gを用意しましょう。この分量で10個の小さい豆腐ハンバーグができます◎
具材を混ぜる
鶏ミンチ・豆腐・卵をボウルに入れてしっかりと混ぜます。少し粘り気が出るくらいまで混ぜればOKです!
タネを焼いていく
フライパンに薄く油を伸ばします。今回は犬も安全に食べられるオリーブオイルを使用していますが、他の安全な油でも大丈夫です。
豆腐ハンバーグのタネをスプーンですくって、フライパンに乗せていきましょう。そのまま中火で3分!焼き色が付いているのを確認してから裏返します。
蒸し焼きにする
弱火にしてから蓋をします。この状態で7分くらい蒸し焼きにしていきましょう。ちゃんと中まで火が通っているのを確認したら完成です!
完成!
こちらが出来上がった愛犬用の豆腐ハンバーグです!1個あたり約42キロカロリーという計算になります。
カロリーの計算上、体重が6kgの避妊・去勢済みの成犬であれば、こちらのハンバーグ1つをおやつとして与えても大丈夫です。
食べる時のコツ
ちなみに与える時は、食べやすいようにこんな感じで細かく潰してあげるのがおすすめです。
愛犬への手作りおやつレシピ「豆腐ケーキ」
豆腐の型を取る
まずはケーキの土台である豆腐の型を取っていきます。専用の丸い型がある場合は、そちらを使用しましょう。
私はグラスで代用しました◎これくらいの大きさだとだいたい40gくらいになります。
用意するもの
型取りした豆腐40g・ブルーベリー3粒・いちご半分・キウイ3分の1を用意します。
具材を切る
豆腐は半分に切りましょう。また、フルーツはこれくらい細かく切っておきます。
キウイを乗せる
豆腐の間にキウイを乗せます。ちょっとキウイが見えるくらいのバランスがGOODです!
完成!
いちご・ブルーベリーを上に乗せれば完成!犬用ケーキのレシピは手の込んだものが多い中、こちらは材料を切って乗せるだけなので超簡単です◎
愛犬の特別な日を彩るご褒美として、作ってみてはいかがでしょうか。
与え方のコツ
丸のみしやすい犬の場合は、スプーンで与えてあげるのが良いでしょう。今回使用した豆腐は柔らかめなのでそのまま与える事もできます。
ただ硬めの木綿豆腐を使用する場合は、念のためスプーンを使用する方が良いかもしれません◎
愛犬に豆腐を与える時に気を付けておきたい注意点5つ!
- 薬味・調味料を加えるのはNG。
- 大豆アレルギーに気を付ける。
- 「豆腐」が商品名に入っていてもNGな食品がある。
- 腎臓病・腎不全を患っている犬の場合獣医に相談する。
- 脂質が意外と多いので与えすぎに注意する。
こちらでは、愛犬に豆腐を与える時の注意点についてまとめてみました。5つあるので、順番にご覧ください。
薬味・調味料を加えるのはNG。
人間が豆腐を食べる時は、ネギやショウガなどの薬味・醤油やポン酢などの調味料を使用する事も多いかと思います。しかし、犬に与える時は薬味・調味料を使用してはいけません。
特にネギ科の野菜に関しては、深刻な中毒症状を起こす可能性があります。絶対に与えないようにしましょう。
また調味料に関しては、塩分過多になる場合があるので危険です。豆腐を与える時は、何も加えずに与えるようにして下さいね。
大豆アレルギーに気を付ける。
稀に大豆アレルギーを持っている犬もいます。過去に大豆の加工品(豆乳やきなこ等)でアレルギー反応が出たことがある場合、念のために豆腐を与えるのは止めておきましょう。
また初めて豆腐を与えるときは、少量から試してみることをおすすめします。愛犬が豆腐を食べた後に、体調不良を起こしていないかどうかを確認することが大切です。
もしアレルギー症状が出てしまった場合は、それ以上豆腐を与えるのは止めましょう。症状が収まらない場合は、すぐ病院に連れて行って下さい。
「豆腐」が商品名に入っていてもNGな食品がある。
木綿豆腐・絹ごし豆腐は、大豆+にがり(固める物質)から出来ています。こういったシンプルな原材料のものであれば、犬に与えても問題ありません。
しかし、「豆腐」という商品名が入っている食品の中には、塩分・砂糖・出汁などが混ざっているものもあるので注意が必要です!
例えば、杏仁豆腐・ごま豆腐・卵豆腐など。こういった豆腐の加工品を食べると塩分・糖分過多になる可能性があるので、与えないようにしましょう。
腎臓病・腎不全を患っている犬の場合獣医に相談する。
豆腐にはカリウムが含まれています。腎機能が低下している犬の場合、カリウムの過剰摂取による「高カリウム血症」を引き起こす可能性があるんです。
腎臓病・腎不全を患っている犬の場合は、カリウムの摂取量を厳しく制限されている場合も。自己判断でカリウムを含んでいる食品を与えるのは危険です。
犬それぞれ病状の重さは変わってくるので、豆腐を与えるかどうか悩んでいる場合は必ず担当の獣医に相談しましょう。
脂質が意外と多いので与えすぎに注意する。
お肉や魚などの動物性タンパク質の食品よりも、豆腐のカロリーは低いです。ヘルシーな食べ物というイメージがありますが、脂質に関しては意外と多いという事を覚えておきましょう。
カロリーが低いからといって与えすぎると、肥満・糖尿病のリスクを上げてしまいます。1日に必要な摂取カロリー量の10%以内になるよう調節してみて下さいね。
犬と豆腐に関するよくあるQ&A
最後に、犬と豆腐に関するよくある質問&答えをいくつかお伝えしていきますね。
愛犬が膵炎を患っている。豆腐のタンパク質が良いって聞いたけど本当?
膵炎治療の重要なポイントは「低脂質」と言われています。膵炎の愛犬にささみを与える飼い主さんも多いかと思いますが、豆腐にはささみの約5倍もの脂質が含まれているんです。
意外と脂質がたくさん含まれているので、積極的に与えるような食材では無いのかなと思います。
豆腐は犬が毎日食べてもいい食材なの?
とは言え毎日同じものを与えるよりも、色んなものから様々な栄養素をバランスよく摂取した方が良いという意見があるのも事実です。
犬によっても豆腐が合う・合わないが分かれてくるでしょうし、そういったところも踏まえて毎日の献立を考えてみて下さいね。
犬のダイエットのため、豆腐をかさ増しに使って良い?
しかし、意外と脂質が多く含まれているという点を把握しておくのは大事です。与えすぎるとむしろ肥満に繋がってしまう可能性があります。
糖尿病を患っている愛犬に、豆腐を与えるのはダメ?
動物性タンパク質と比べると、カロリーが低いという特性は持っています。ただ脂質が意外と多く含まれているので、糖尿病の度合いによっては組み合わせがよくない場合もあるでしょう。
愛犬に豆腐を与えると下痢になった。どうすれば良い?
アレルギー反応が起こっている・与えすぎたことにより便が緩くなった・与えたタイミングの体調が良くなかった等、原因については色々と考えられます。
しばらく様子を見てみて、下痢の症状があまりにも長く続く場合は、病院に連れていく事をおすすめします。
犬は豆腐を食べても大丈夫!「おやつ」の位置付けとして与えましょう。
- 犬は豆腐を食べても大丈夫。
- 木綿豆腐・絹ごし豆腐、どちらも安全に食べられる。
- 高タンパク・低カロリーという特性を持っている。
- あくまでも「おやつ」「副食」なので、必要摂取カロリー量の10%以内に収める。
- 常温orやや温めてから与えるのがおすすめ。食べやすいサイズに潰しておく。
- アレルギー反応が出ないかチェックする。
- 持病がある場合は自己判断で与えず、担当の獣医に相談する。
豆腐は犬が安全に食べられる食材になります。肉や魚などの動物性タンパク質と比べて、低カロリーなのは嬉しいポイント!栄養バランスも非常に良いです。
ただし主食として与えるのではなく「おやつ」「副食」として与えましょう。1日に必要な摂取カロリーの10%以内に収めるのが大事です。
愛犬の健康的な食生活のベースとなるのは、総合栄養食であるドッグフードになります。あなたの愛犬に合うドッグフードで、健康的な食生活をサポートしてあげましょう◎
RER(kcal)={ √ √(体重 × 体重 × 体重)}× 70
DER(kcal/日)=RER × 年齢・状態に応じた係数
給餌量(g/日)=DER ÷ フード100gあたりのカロリー数 ÷ 100