犬のマッサージにはいろんなメリットがあります。愛犬と飼い主さんとの絆を深めるほか、疲れを癒したり、病気や体の異変に早く気づいてあげられたりなどがありますね。
しかし、間違ったマッサージ法で愛犬の体を痛めることだけは避けたいものです。また、行き過ぎたマッサージで愛犬に負担をかけてしまうこともできるだけ避けた方がいいでしょう。
ここでは、犬にマッサージをするにあたっての注意点などを解説しながら、信頼のできる犬のマッサージ動画もシェアしていきたいと思います。
目次
犬のマッサージをはじめる前に知っておきたい大切なこと!
愛犬のマッサージをするにあたって一番大切なことを先にお伝えします。
犬には急所というものがあり、心を許していない人にはその部位を安易に触らせてくれません。その逆で、信頼できる人に対しては急所のタッチを快く許してくれます。
- 頭
- 喉・口まわり
- お腹
- そけい部(股間)
- 足
- 尻尾
もしも愛犬が急所を触られて嫌がるようであれば、いきなりマッサージをしても逃げられる可能性が高いでしょう。むしろ、触られることを余計に嫌がるようになるかもしれません。
まずは体に触られることから少しずつ慣れてもらうことが大切です。愛犬の背中を毎日やさしく撫で、飼い主さんに触られても大丈夫な状態にしておきましょう。
犬が気持ちいいと感じるマッサージ方法【動画あり】
次に、犬のマッサージのやり方についてです。
犬が思わずうっとりしてしまうマッサージのコツというものがあり、それが以下に示した内容です。
- 指の腹、または手の平全体を使って流れるように撫でる。
- ゆったりとしたリズムで行う。
- 犬の体に疲れが溜まった時に行う(散歩や運動の後など)。
- マッサージをする時は手の平全体を温めておく。
とにかく力まず、そしてリラックスした優しい気持ちで行うことがポイントになります。
とは言っても、これだけ見ても分かりにくいですよね。
そこで、私が個人的にいつも参考にしている動画をシェアします。他のどのマッサージ動画よりも分かりやすいですし、とてもシンプルなので実践しやいかと思います。
この動画を観ると、とくに難しいテクニックなど必要ないことが分かりますよね。これならマッサージ初心者の方でもすぐにトライできるかと思います。
インターネットで「犬 マッサージ」と検索するといろんなサイトが出てきますが、個人的にはツボや細かいことにこだわるより、この動画のように手の平全体で犬の体を流れるように撫でる方法が一番いいのではないかと感じています。
というのも、素人が下手にツボを刺激しようと頑張ると、それが愛犬にとって逆効果になる場合もあるからなんです。これは人間に対しても同じことが言えますよね。
「マッサージ=指圧」は人間独特のマッサージ法であって、犬にはそこまで徹底する必要はありません。愛犬が一番気持ちいいと感じる方法で行うことが大切です。
犬をマッサージでさらに気持ちよくさせるためのコツ!
先ほど紹介した動画の方法でも十分効果的なのですが、ちょっと分かりにくい…という飼い主さんのために要所要所でマッサージのコツを解説していきたいと思います。
首回り
両手で軽く挟むように首を持ち、グ~ルグルと円を描くようにマッサージします。力を入れ過ぎると嫌がるので、さする感覚でやさしく撫でることがコツです。
顔・目の周り
鼻から眉間にかけての筋は犬にとって気持ちいい部分です。まずはここを上に向かって(鼻→眉間)やさしく指で撫でてあげましょう。
そのまま目の上の骨に沿って、外側に撫でるようにマッサージをします。間違っても眼球を押さないよう気をつけて下さい。
耳
指を使って、耳の付け根部分をやさしく撫でるようにマッサージしましょう。そのまま耳の先に向かってスッと指を離します。
後ろ脚
犬にとって後ろ脚は、かなり疲れが溜まりやすい部分でもあります。血液やリンパを流すイメージで、やさしく撫でるようにマッサージしましょう。
後ろ脚は急所でもありますから、あまり強引にやるとストレスを与えてしまいます。
お腹
犬のお腹をマッサージする時は、まず胸部(骨格で保護されている部分)を中心にやさしく撫でましょう。腹部(骨格で保護されていない下半身部分)は犬にとって弱点なため、いきなり触ると嫌がります。
もしも愛犬がお腹を見せることに抵抗がないようであれば、胸部から腹部にかけてゆっくりと撫でてあげましょう。
肉球
肉球のマッサージについては以下の記事で解説しているので、ぜひこちらを参考にしていただければと思います。
こんな時は犬が嫌がっているサイン!
人間は「痛い」「そこ違う」などの言葉で主張できますが、犬にはそれができません。そのため、犬のリアクションで痛がっているのかどうかを察する必要があります。
たとえば以下のようなリアクションをした場合、触られたくないところを触っている、もしくは痛がっている可能性があるので注意しましょう。
- ハッと振り向く
- 急にムクっと起き上がる
- あくびを頻繁にする
- 逃げる
- 噛む
こんなリアクションをしているのにも関わらず無理やり続けると、マッサージそのものを嫌がるようになる可能性もあるので気をつけましょう。
犬にマッサージをするメリットとは?
犬にマッサージをするとこんなメリットが生まれます。
- 飼い主さんとの絆が深まる
- 体の疲れを癒す
- 病気やケガの早期発見
- 腫瘍やしこりの早期発見
- 被毛の変化に気付ける
- 体重の変化に気付ける
人間のマッサージは疲れをほぐす目的で行いますが、犬のマッサージは疲れを癒すというより、どちらかというと飼い主さんとの絆を深める意味合いが強いです。
そして愛犬の体や被毛の変化にいち早く気付いてあげられるのも、マッサージならではのメリットになります。
実際に私も愛犬のマッサージをしていて、腫瘍を発見することができました。幸いにもすべて良性(脂肪腫、皮脂腺上皮腫、毛包性嚢胞)ではありましたが、早期発見できたおかげでひどくなる前に摘出できたことは本当によかったです。
【注意】こんな時は犬にマッサージをしないように!
犬も人間同様、マッサージをしない方がいい時があります。マッサージを避けた方がいい時というのを以下にまとめてみました。
- 熱がある時
- 体調が優れない時
- 怪我をしている時
- ガンを患っている時
- 食後
- 激しく運動をした後
愛犬の体に何かしら異変を感じた場合は、マッサージを一旦中止しましょう。
マッサージをすることで多大な負担をかけてしまうこともあるため、気になる様子が見られたら必ず動物病院に相談をするようにして下さい。
とくに怪我やガンは、マッサージをすることで逆効果になる危険性があります。
「ドッグマッサージセラピスト」という資格もある!
最近、ペットショップやサロンで「ドッグマッサージセラピスト」の資格を持つスタッフさんを見かけることが増えてきました。
愛犬の疲れを癒したい、愛犬に少しでも長生きしてもらいたいと願う飼い主さんが増えてきているのが背景にあるのでしょう。
ドッグマッサージセラピストの資格を取得するためには、日本ドッグホリスティックケア協会の会員になり、そして同協会のセミナーに参加することが条件となるようです。
「ドッグセラピスト」であれば、通信講座などで資格を取得することが可能だそうですよ。
「犬のマッサージ」と聞くと本格的なマッサージを思い浮かべる人も多いようですが、決して意気込んでやるようなものではありません。
あくまでも愛犬の疲れを癒したり、飼い主さんとの絆を深めることが主な目的となります。マッサージはコミュニケーションのひとつと捉えておくといいでしょう。
それと、マッサージは愛犬の病気や体の変化にもいち早く気付ける方法でもあります。日ごろから愛犬の体に触れられるようにしておきたいものですね。