- おすすめの柔らかいドッグフードって何があるの?
- ドライフードと柔らかいドッグフードの違いは?
- シニア犬には柔らかいご飯を食べさせた方がいいの?
たまにこのような悩み相談をいただきます。
ドッグフードはドライフードが一般的なので、柔らかいドッグフードにはどんなものがあって、どんな犬にどんな場面で使えばいいのかよく分からないですよね。
そこで今回は、柔らかいドッグフードの種類や使い方、安全で体にやさしいおすすめの商品の選び方について紹介していきたいと思います。
目次
【まずは基本!】柔らかいドッグフードの種類と特徴
「柔らかいドッグフード」とひと言で言っても、ウェットフード、セミモイストフード、ソフトドライフードなどいろんなタイプのドッグフードがあります。
そしてこれらは、フードに含まれる水分の含有量で分類されています。
- 水分量が約10%程度以下:ドライ(乾燥製品)
- 水分含有量25~35%程度:セミモイスト・ソフトドライ(中間水分製品)
- 水分量が70%程度:ウェット(湿潤製品)
ドライフードについてはここで一旦省略します。それ以外の、セミモイストフード、ソフトドライフード、ウェットフードについてサクッと見ていきましょう。
セミモイストフード
よく「半生フード」とも呼ばれています。ミンチにした肉類や小麦粉などの原材料を混ぜ合わせ、押出機などで発泡せずに成形されたものがセミモイストフードです。
嗜好性が高いというメリットはありますが、水分を保つためにプロピレングリコール(湿潤調整剤)、品質を保持するために防カビ剤などが添加されやすい特徴があります。
ソフトドライフード
セミモイストフードが発泡せずに成形されているのに対し、ソフトドライフードは加熱発泡処理されています。よって、ソフトドライフードの粒の方がさらに柔らかくなっています。
こちらもセミモイスト同様、嗜好性が高いフードです。ただし、プロピレングリコール(湿潤調整剤)や防カビ剤などが添加されている傾向にあります。
ウェットフード
缶詰、アルミトレー、レトルトパウチなどの気密性容器に中身を詰め、さらに密封した後に加圧加熱殺菌をしてフードの腐敗を防いでいます。
消費期限は商品や容器にもよりますが、缶詰だと未開封で製造日から約3年と長めのものが多いです。ただし、開封後は保存がきかないのですぐに使い切らなければなりません。
ウェットフードはセミモイストとソフトドライよりも肉類を多く含むため、タンパク質・リン・ナトリウム・脂肪の含量が高くなっているのもの特徴です。
柔らかいドッグフードはどんな犬におすすめ?
柔らかいドッグフードはこんな犬におすすめです。
- 消化機能が低下してきたシニア犬。
- 消化器官のトラブルを抱えやすい犬。
- 自発的に水分をあまり摂らない犬。
- 歯がない犬。
- 歯肉炎や歯周病など何かしら口腔内トラブルのある犬。
- 嚥下障害が起きやすい犬。
柔らかいドッグフードの中でも、とくにウェットフードはこれらの犬に合わせやすいのでおすすめです。フードが硬ければ硬いほど食べづらく、また胃腸への負担となりやすくなります。
その逆で、ちゃんと噛むことができて、ちゃんと水も飲むことができて、食べたものをちゃんと消化吸収できる健康的な犬であれば、無理に柔らかいドッグフードだけを与える必要はありません。
歯の健康や噛む力を維持させるためにも、できるだけドライフードも食べさせておくといいですね。硬めのフードを食べることは、歯のお掃除にも一役買ってくれます。
老犬(シニア犬)には柔らかいドッグフードを食べさせた方がいいの?
犬は加齢に伴い、消化率や代謝率が低下していきます。また、噛む力や唾液の分泌も低下するほか、歯の脱落も起きやすくなるのがシニア犬の特徴です。
とくに何ら問題のない健康なシニア犬ならいいのですが、消化率・噛む力・飲み込む力が低下したシニア犬、歯がないシニア犬にカリカリのフードのみを与えるのは控えましょう。
食べづらいものを我慢して食べさせ続けるのはあまりにも可哀想ですし、何よりシニア犬の健康のためにも良くありません。
シニア犬が楽しく負担なく食事ができるよう、柔らかいフードへ切り替えて栄養を補給させてあげることが大切です。
- 水分を程よく摂れる。
- 胃腸への負担が軽減される。
- 歯・顎・食道への負担も軽くなる。
完全に柔らかいフードへ切り替えても構いませんが、まだまだ噛む力と元気があるようであれば無理に柔らかいフードへ完全移行する必要はありません。
愛犬の状況に応じて、柔らかいフードとドライフードを上手に使い分けてあげましょう。
犬にとって安心安全な柔らかいドッグフードの選び方
次に、安全な柔らかいドッグフードの選び方です。
ここで紹介する選び方は、セミモイストフード、ソフトドライフード、ウェットフードすべてに共通した選び方になります。
化学合成物質ができるだけ無添加である
柔らかいドッグフードは水分を多く含んでいるため、カビが生えやすく腐敗しやすいデメリットがあります。
商品がすぐに腐ってしまうようでは需要が低くなりますから、多くの柔らかいドッグフードには品質保持剤や防カビ剤、効力の強い酸化防止剤などが使われる傾向にあるんですね。
中には、合成着色料、酸化防止剤、乳化剤、香料など、犬にとって必要のない添加物を配合している商品もあるため気をつけておきたいところです。
愛犬の健康のためにも、できるだけ以下の添加物が使われていない商品を選んでおくようにしましょう。
プロピレングリコール・ソルビン酸カリウム・ソルビン酸・乳化剤・調味料・二酸化チタン・アスコルビン酸ナトリウム・亜硝酸ナトリウム・エリソルビン酸ナトリウム・香料・合成着色料(赤色40号・赤色106号・黄色4号・黄色5号・青色1号など)
安全性の高い原料が使われている
これはドライフードにも言えることですが、使われている原料のグレードが分かるもの、あるいは人間用と同等の食材が使われている商品を選ぶことが大切です。
原料に関する情報が公開されていないものは、どんな状態の肉や野菜などが使われているか分かりません。病死肉、中国産原料、遺伝子組み換え食品など使われている可能性もあるため、原料に関する情報もしっかり確認しましょう。
もし公式サイトを見てもよく分からないようでしたら、直接メーカーに問い合わせると大体教えてくれます。回答のないところは候補から外されることをおすすめします。
主原料に質の良い動物性タンパク質が使われている
柔らかいドッグフードの中には、小麦やパン粉などの穀類、脱脂大豆やおからパウダーなどの豆類を主原料としている商品もあります。
正直このようなフードを食べ続けて健康に良い影響を与えるとは言い難く、またアレルギーのリスクを高める恐れもあるので注意しましょう。
糖質の多い炭水化物ばかりを摂取していると肥満や糖尿病の原因ともなりますから、せめて主原料には低脂肪の良質な動物性タンパク質を使った柔らかいドッグフードを利用するようにしましょう。
【種類別に紹介】犬のご飯におすすめな柔らかいドッグフードは?
セミモイストフード、ソフトドライフード、ウェットフードのどれを選ぶのかは、愛犬の健康状態や飼い主さんのお財布事情によっても変わってきます。
- ドライフードに近い食事をさせたいならセミモイストやソフトドライ。
- 完全に柔らかいフードを食べさせてあげたいならウェットフード。
といった感じで、目的に合わせて選ばれるといいでしょう。
それぞれどんな商品があってどんな商品がおすすめなのか?以下におすすめの柔らかいドッグフードをタイプごとにまとめたので、そちらを参考にしていただければと思います。
おすすめのセミモイストフード/ソフトドライフード
セミモイストフードとソフトドライフードは「半生タイプのドッグフード」と一括りにしています。
半生タイプのドッグフードはまだまだ安全とは言い難い添加物が使われることが多く、質の良い商品を見つけ出すのは極めて難しいです。
以下の記事で安全性の高い半生タイプのドッグフードを紹介していますので、このタイプのフードを検討している場合はぜひ参考にしてみて下さい。
おすすめのウェットフード(缶詰など)
ウェットフードには、缶詰、ソーセージのようなタイプ、レトルトタイプなどがあります。
ここ最近日本でも良質なウェットフードが増えてきているため、もしかしたら半生タイプのドッグフードを選ぶより安全でコスパがいいかもしれません。
ただ、日持ちしない・保存がきかない・価格が高めというデメリットがあるので、その辺りをデメリットと感じないのであればウェットフードを利用してみるのもありでしょう。
ドライフードで柔らかいドッグフードを作る方法もおすすめ!
これまでに紹介した柔らかいドッグフードを買って愛犬に与えてもいいですが、ドライフードをぬるま湯やヤギミルクなどでふやかして柔らかくしてあげる方法もおすすめです。
ドライフードなら経済的で保管もしやすいですし、いろんな種類があるので食物アレルギーの犬にも合わせやすいメリットがあります。
ドライフードをふやかして柔らかいドッグフードを作る方法は以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
柔らかいドッグフードといっても、実はいろんな種類があるんです。
特性もそれぞれ異なるので、どんな柔らかいドッグフードがいいのかは愛犬の健康状態をよく観察した上で決められるといいでしょう。
また、最後に紹介したドライフードをふやかす方法も、これはこれで知っておくとすごく役に立つので覚えておくといいですよ。
災害があって避難所へ行かなければならなくなった時、ライフラインがまともに通っていない環境に置かれた時、もっとも役に立つご飯は保存のきくドライフードです。
ふやかす方法を知っておくことでいろんな場面で使えますから、愛犬のためにも覚えておいて損はないと思います。