春から夏の終わり頃にかけて旬を迎える野菜、それがきゅうり(胡瓜)です。この時期になると食卓に並ぶ機会も多いので、愛犬におやつ代わりとして与える人も多いでしょう。
そこで知識としてきちんと頭に入れておきたいのが、犬ときゅうりの関係性です。犬が食べても大丈夫なのか?注意すべきことは何か?などを解説していきたいと思います。
目次
犬はきゅうりを食べても大丈夫!子犬やシニア犬も食べていいの?
まず結論から言うと、犬はきゅうりを食べても問題ありません。
ウリ科のアレルギーがなければ、基本的に子犬~シニア犬まですべての犬がきゅうりを食べて大丈夫です。
きゅうりにはとくに中毒症状の出る成分等は含まれていないため、これが犬にきゅうりをあげていい理由になります。
ただし、犬にきゅうりを与える際はいくつか注意点があることを知っておきましょう。その注意点を今から解説していくので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
犬にきゅうりを与える際に注意しておきたい3つのこと!
水分が多いので食べさせ過ぎない
きゅうりは水分を豊富に含んでいます。同じウリ科のスイカで89.6%、メロンが87.9%の水分を含んでいるのに対し、きゅうりはなんと95.4%が水分でできています。
適量を食べることで水分補給や夏バテ防止にもなりますが、食べ過ぎると軟便や消化不良による下痢を引き起こしやすくするので注意しましょう。1日に与えていい量は、生のきゅうり20gまでです。
きゅうり(ウリ科)アレルギーがある場合は与えない
稀に、きゅうりに対してアレルギー反応を示す犬がいます。その場合、同じウリ科のスイカやメロンを食べた時にもアレルギーを発症することがあります。
もしもウリ科の食材に対してアレルギーがある場合は、下痢、嘔吐、湿疹、発疹、皮膚の赤み・かゆみ・腫れなどのアレルギー症状が見られます。様子がおかしいと感じた場合は、すぐにかかりつけの動物病院に相談するようにして下さい。
食べさせる時はきゅうりを小さくカットする
犬にきゅうりを丸ごとかじらせる光景をたまに見ますが、食べ方によっては大きくかじったきゅうりをそのまま丸呑みしてしまうことも考えられます。
これは窒息の原因にもなる大変危険な与え方なので、犬にきゅうりを食べさせる時は必ず細かくカットしてから与えるようにしましょう。
また、きゅうりの皮は基本的に犬が食べても問題ありませんが、皮は犬にとって消化しにくい部分でもあるので与え過ぎには注意が必要です。
【きゅうりの栄養素】犬にはどんなメリットがあるの?
次に、きゅうりの栄養素と犬にとってのメリットを紹介していきたいと思います。
きゅうりは低カロリーなヘルシー野菜!
エネルギー | 14kcal | 灰分 | 0.5g |
水分 | 95.4g | 灰分飽和脂肪酸 | -g |
タンパク質 | 1.0g | 不飽和脂肪酸 | 0.01g |
脂質 | 0.1g | コレステロール | 0 |
炭水化物 | 3.0g | 食物繊維 | 1.1g |
きゅうりは100gあたり約14kcalと低カロリーです。その分いっぱい食べても大丈夫なのでは?と思われがちですが、先ほどもお伝えしたように、きゅうりには水分が豊富に含まれているため与え過ぎは禁物です。
β-カロテンが含まれている!
カロテン | 330μg | ビタミンB6 | 0.05mg |
ビタミンE | 0.3mg | 葉酸 | 25μg |
ビタミンB1 | 0.03mg | パントテン酸 | 0.33mg |
ビタミンB2 | 0.03mg | ビタミンC | 14mg |
ナイアシン | 0.2mg |
にんじん、かぼちゃ、トマトなどの緑黄色野菜ほどではありませんが、きゅうりの表皮にもβカロテン(カロテノイドと呼ばれる色素の一種)が豊富に含まれています。
犬の場合は体内でβ-カロテンをビタミンAに変換する性質を持っているため、過剰摂取によるビタミンA中毒には気をつけておきたいものです。
きゅうりをちょっと与えたからといって問題になることはほぼありませんが、肝臓や腎臓の機能がひどく低下している犬、赤血球の数が少ない犬には注意した方がいいかもしれません。
筋肉の強化に欠かせないカリウムが含まれている!
ナトリウム | 1mg | マグネシウム | 15mg |
カリウム | 200mg | リン | 36mg |
カルシウム | 26mg | 鉄 | 0.3mg |
ほうれん草や小松菜ほどではありませんが、きゅうりにもカリウムが含まれています。
カリウムは摂取し過ぎると高カリウム血症を引き起こす恐れもあるため注意しなければなりませんが、適度に食べることで筋肉の強化や血流の改善が期待できます。
犬にきゅうりを食べさせると尿路結石になるの?
「きゅうりを食べると尿路結石になる(あるいは症状が悪化する)」という説についてですが、犬がきゅうりを食べたからといって尿路結石になることは非常に考えにくいです。
なぜなら、きゅうりには尿路結石の原因となるシュウ酸カルシウムやマグネシウムが僅かしか含まれていないからです。
そもそも犬が尿路結石になるほどきゅうりを大量に食べ続けること自体あり得ない話ですから、きゅうりを食べたら尿路結石になると騒ぎ立てるのは行き過ぎた行為になります。
また、きゅうりという野菜が犬へ積極的に与えるものではありません。気になる場合は無理に与える必要もありませんし、一口食べたからといって心配する必要もありません。
きゅうりは犬も食べれられる野菜ですが、大好きだからといってわざわざ毎日食べさせるものでもなく、嫌いで食べないからと無理やり与えるべきものでもありません。これが飼い主さんに心得ていただきたい、犬ときゅうりの付き合い方です。
基本は、ちゃんと栄養のある総合栄養食を食べさせてあげることです。餌代わりにきゅうりだけを与えると、栄養不足から様々な病気を招くため注意しましょう。
まずはベースとなる食事をしっかり管理した上で、おやつとしてきゅうりをたまに与えるぐらいに留めておくことが大切です。