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子犬がご飯を食べないのは何が原因?考えられる7つの理由と対処法!

犬がご飯を食べない時の理由や対処法については「犬がご飯を食べない!病気?わがまま?考えられる8つの原因と対処法!」で解説しましたが、こちらでは子犬がご飯を食べない7つの理由とそれぞれの対処法について解説していきたいと思います。

監修者
作家 / 獣医学博士 / おおい動物病院 副院長
片川 優子
15歳の時に書いた『佐藤さん』で、第44回講談社児童文学新人賞佳作を受賞し、作家デビュー。一方で、麻布大学大学院獣医学研究科に進み、博士号を取得。犬と人の絆を描いた著書に『これからもリッキーといっしょ』(講談社)などがある。夫、2人の娘、2頭の犬、2頭の猫、2匹のハムスターと暮らす。ペットが幸せに暮らすため、精力的に活動を行っている。

子犬がご飯を食べない7つの理由と対処法!

それでは早速、子犬がご飯を食べない7つの理由とそれぞれの対処法について解説していきましょう。

犬がご飯を食べない理由と対処法の総合版「犬がご飯を食べない!病気?わがまま?考えられる8つの原因と対処法!」も併せて見ていただくと、より理解が深まるかと思います。

ここでは、子犬がご飯を食べない一般的な理由について紹介しています。必ずしもすべての子犬に該当するとは限りません。中には例外もたくさんあるため、様子がおかしいと感じる時は必ず獣医さんに相談するようにして下さい。

ドッグフードが食べづらい

子犬がご飯を食べない理由でもっとも多いのが、この食べづらいです。

離乳食からパピー用のドッグフードに変えた時、あるいはパピー用から成犬用に変えた時など、食べるドッグフードが変わると途端に食いつきが悪くなることもあります。

例えば、その子犬がドッグフードの粒が大きい、粒が硬い、歯触りが気に入らないなどと感じれば、食いつきが悪くなってしまうのも仕方ないことでしょう。なぜなら、犬はにおい・味・質感でご飯のおいしさを判断しているからです。

また、フードの内容が変わったことへのストレスで食いつきが悪くなることもあります。

対処法①|ドッグフードを切り替える時は少しずつ行う

新しいドッグフードに切り替える時、まずは「新しいフード25%:従来のフード75%」の割合で調節します。そして1週間かけて100%にしていくと、すんなり切り替えられることが多いです。

  • 1日目・2日目・・・新しいフード25%:従来のフード75%
  • 3日目・4日目・・・新しいフード50%:従来のフード50%
  • 5日目・6日目・・・新しいフード75%:従来のフード25%
  • 7日目・・・新しいフード100%

こうすることで、子犬もストレスなく新しいドッグフードに慣れることができます。

対処法②|硬くて食べづらい場合はふやかしてみる

ドッグフードの粒が硬い時は、ぬるま湯に10~15分ほどつけてふやかします。まずはこれを数日間続け、慣れてきたらふやかす時間を短縮して徐々に硬めのドッグフードに慣れてもらいましょう。

対処法③|粒が大きい場合は砕いてみる

ドッグフードの粒が大きい場合は、ミキサーを利用して細かく砕くか、あるいはビニール袋に入れて綿棒で軽く砕いてあげてみるのもいいでしょう。細かく砕くことで食べやすくなることもあります。

ストレスを抱えている

子犬はいろんなことが初めてなので、ちょっとした変化などにも敏感に反応し、その度にストレスを感じて食欲をなくしてしまいがちです。

とくに初めてのお家に迎え入れられた時は、新しい環境に慣れず体調を崩してしまう子犬もいます。怯えてなかなか陰から出てこない…といったことも珍しくはありません。

他にも、こんな場面で子犬はストレスを感じることがあります。

  • 不衛生な環境で飼育されている。
  • 苦手な人間や犬猫が身近にいる。
  • 飼育環境がガラリと変わった。
  • 周りがうるさい。
  • 過剰なスキンシップ。
  • 飼い主さんに構ってもらえてない。
  • 体質に合わないご飯を与えられる。

もし子犬に元気がない様子も見られたら、かなりストレスを感じている可能性があります。

ストレスは食欲不振といった原因をつくり出すだけでなく、嘔吐、下痢、破壊行動、吠え癖、噛み癖なども引き起こしやすくするので注意しましょう。

対処法

まずはストレスの原因となっているものを見つけ出し、すぐに改善するようにしましょう。

とくに、環境の変化は犬にとってかなりのストレスです。なるべく大きな変化を感じさせないよう工夫をし、常に安心できる空間をつくるようにしましょう。

また、迎え入れたばかりの頃は構い過ぎないことも大切です。子犬が自分から心を開き始めるまでそっと見守り、子犬の気持ちとペースを尊重してあることで余計なストレスを与えずに済みます。

子犬を引き取る際は、今までどんな餌を与えていたのかを忘れずに確認するようにして下さい。また、どんなふうに与えていたのか(1日何回か、ふやかしていたのか、など)といった細かい点も確認しておくのがおすすめです。引き続き同じ餌を与えることで、安心感を与えられます。

反抗期を迎えている

犬種や個体差によってかなりバラつきはありますが、おおよそ生後6ヶ月頃~1歳の間に犬は反抗期を迎えます。もちろん反抗期がない子犬もいるので、この場限りではありません。

反抗期の間は食に対しても反抗心を見せることがあるので、わざとご飯を食べずに飼い主さんの反応を観察することもあります。

対処法

反抗期の間は甘やかさないことが大事です。ここで何でもかんでも許してしまうと、その子犬は良いことと悪いことの区別がつかないまま成犬へと成長してしまうことになります。

飼い主さんは、とにかく毅然とした態度で振る舞うようにしましょう。ご飯を食べないからと、代わりにおやつだけを与え続けると「食べなければもっといいものが貰える」と学習してしまうケースがあります。

トッピングを使用する場合はタイミングが重要です。ご飯を少し食べ始めてからトッピングを追加することで「食べたらもっといいものがもらえた」と学習してもらえます。おすすめの方法なので一度試してみて下さい。

また、フードを食べているときに「いいことをする」と、食物関連性攻撃行動(食べ物を守ろうとして攻撃すること)を予防できる可能性があります。

ちゃんと栄養のあるご飯を食べてもらうためにも、出して食べなかったら20~30分で下げて処分するといった方法を繰り返してみましょう。この方法については、後ほど解説します。

誤飲誤食をしてしまった

子犬にありがちなのが、誤飲誤食です。子犬はなんでも口にしてしまうので、飼い主さんが見ていないところで変なものを食べたり飲んだりすることはよくあります。

誤飲誤食したものにもよっては食道や胃腸に傷をつけてしまったり、あるいは腸に詰まって腸閉塞を引き起こすこともあるので十分に注意しましょう。

誤飲誤食による体の異常はものにもよりますが、食欲不振、下痢、嘔吐、震え、痙攣、ヨダレを垂らす、血便などの症状が見られることがあります。

また、異物が消化管に詰まってしまった場合は、元気で食欲があっても吐き続けることがあるので注意が必要です。この場合、水を飲んでも全て吐き、なにも食べていなくても胃液を吐くこともあります。

対処法

もしも子犬が誤飲誤食をしてしまったら、すぐに動物病院へ連絡して獣医師の指示を仰ぎましょう。ご飯を食べないからといって様子を見続けてはなりません。

誤って飲み込んでしまったものをすでに吐き出しているのならば、それを持参していくことも忘れないようにして下さい。

なぜなら、物によっては食道や胃の粘膜を傷つけている可能性があるからです。検査をスムーズにするためにも、どんなものを飲み込んだのか説明できるようにしておきましょう。

病気や何かしら不調がある

子犬が一定期間ご飯を食べない場合、疑うべきものは体の不調や病気です。

ご飯を食べない以外にも、以下のような様子や症状を見せたら何かしら不調を抱えている可能性が高いです。あくまでも一例として参考にして下さい。

  • 嘔吐
  • 何度も吐く
  • 下痢
  • 水を飲まない
  • おやつも食べない(反応しない)
  • 元気がない
  • 体が震える
  • ずっと寝ている
  • 急に痩せてきた
  • ぐったりしているなど

また、子犬は消化器官がまだまだ未熟です。食べ過ぎや消化の悪いご飯が原因で消化不良を起こすこともあります。

対処法

どんな不調を抱えているのか、どんな病気にかかっているのかは動物病院を受診するまでは分かりません。

生後数ヶ月の子犬の場合、様子を見る目安としては「半日」です。まだ内蔵機能が未発達のため、半日の絶食で血糖値が下がり、低血糖で命を落としてしまうこともあります。

おやつですら食べない絶食状態であれば、半日でも病院に連れて行くことを検討しましょう。

日頃から病気の予防を意識してあげることが一番重要ですが、それだけでは防げない病気もたくさんあります。

毎日子犬のボディや様子をしっかり観察し、小さな異変でもすぐ気づけるようにしておくことが大切です。そして、ワクチンの予防接種や検診は毎年受けておくようにしましょう。

子犬の成長期が終わりを迎えている

子犬は成犬の約2倍のエネルギー量を必要とするため、成犬よりも食事の量が多くなり、摂取するカロリーも高めになります。これはごくごく自然なことです。

子犬は骨や筋肉がどんどん成長しているので、その成長を妨げないためにも十分な栄養量を補給する必要があります。

しかし、これは成長期が終わる時期である生後6~8ヶ月目くらいまでのお話です。もちろん個体差はありますが、おおよそ生後6~8ヶ月目くらいを目処に食への落ち着きを見せるようになります。

例えば、4ヶ月目などといった早い段階で食欲が落ちてきた場合は、どんどん痩せてうまく成長できないこともあります。なので6ヶ月目くらいまではあまり悠長に様子見せず、フードを変更してでも積極的に食べさせた方が良いでしょう。

成長期が終わると「前よりも食べなくなった」と感じることはよくある話で、とくに心配する必要はありません。食べ盛りの時期が過ぎようとしているだけのことです。

ただし、中には体調不良ドッグフードが食べづらいといったことが原因になっている場合もあります。必ずしも成長のピークが過ぎたからとは言い切れないので注意しましょう。

対処法

この場合は、自然の流れに沿って温かく見守っていきましょう。むしろ意図的に少しずつ餌の量やカロリーを減らしてあげないと、栄養過多による肥満や病気を引き起こしかねないので注意が必要です。

もしもパピー用のドッグフードを食べさせている場合は、おおよそ生後8~10ヶ月頃が成犬用へ切り替えのタイミングです。同時に、与える量も少しずつ減らしていきます。

犬の大きさ別に、成犬用へと切り替えるおおよそのタイミングをまとめてみました。

体の大きさ 切り替えるタイミングの目安
小型犬 生後8~9ヶ月頃
中型犬 生後10~12ヶ月頃
大型犬 生後17~18ヶ月頃

一般的に、体の大きな犬ほど子犬期が長くなります。こちらはあくまで目安となりますので、切り替えのタイミングはかかりつけの動物病院に相談されることをおすすめします。

フードに飽きた

今食べているフードに飽きがきて食べなくなるというケースもあります。特に食が細い子は飽きやすい傾向にあるというイメージです。

対処法

飽きて食べないようなら、別のフードに切り替えるのも選択肢としてありだと思います。比較的なんでも食べる子犬期にいろんなフードに慣れておくと、成長後もフード変更がしやすいです。

病気で療法食に切り替えなければならないときや、災害時などに普段のフードが手に入らないときに役に立ちます。

ご飯を食べない子犬へのおすすめな食べさせ方はこれ!

ご飯を食べないからといって、代わりにおやつや人間の食べ物を与えることは好ましくありません。

「何も食べさせないのは可哀想…」ではなく、栄養のあるご飯を食べるようにちゃんとしつけられない子犬が可哀想と思うようにして下さい。

そこでおすすめなのが、食べなかったら下げて処分をするという方法です。以下に手順をまとめてみました。

  1. ご飯を20~30分ほど出しておき、それでも食べなかったら下げて処分をする(ここで可哀想だからといっておやつなどを与えてはいけない)。
  2. ちゃんとご飯を食べるまで、食事のたびに1番を繰り返す。

なぜ、食べなかったとしても出しっぱなしは良くないのか?というと、不衛生だからです。

とくに最近のドッグフードは保存料や強力な酸化防止剤などを使わない傾向にあるため、長時間空気に触れっぱなしにしているとあっという間に腐敗します。

そのようなご飯を食べさせること自体不適切なので、食べなかった場合は20~30分で下げて処分しましょう。

子犬には「食べなかったら他のものが貰える」と思わせないようにすることがコツです。この方法を繰り返していけば、いずれ空腹に負けてちゃんと食べてくれるようになります。

ただし生後2~4カ月くらいの子犬の場合、絶食によるリスクが高いので、この方法は止めておきましょう。
まとめ

基本的に、子犬がいつも決まった量のご飯を食べることができて、元気もあって、なおかつ体重が減ったりしていないのであればとくに健康面で深く心配する必要はありません。

子犬の食事量も個体差があるため、食が細い子もいれば、食欲旺盛な子もいます。

子犬は活動量も高く、消費エネルギーも高いため、生後数ヶ月の子犬を太らせるのは本当に難しいです。体重に合わせて少しずつフードを増やしていたとしても、増やし方が足りずに痩せさせてしまうケースもかなり多いと言われています。

少なくとも生後6カ月までは、太らせすぎることより、痩せさせてしまうことに注意をして食事の管理を行いましょう。

また、プードルなどの毛がふわふわの犬種は、見た目では痩せていることがわかりにくいので、飼い主も子犬がガリガリなことに気付いていないことがほとんどです。

はやめにかかりつけの動物病院やトリミングサロンを見つけ、定期的にプロに体格チェックをしてもらうことをおすすめします。

ちゃんと栄養のあるご飯を食べてもらうためにも、子犬期の食事に関するしつけも大事しましょう。栄養バランスの整った質の良い食事を心掛ければ、病気やトラブルに負けにくい犬へと成長してくれるはずですよ。

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