トイプードルに限らず、犬のサマーカットに関しては賛否両論がありますよね。
毛を適度にカットすることは熱中症対策にもなって良いかもしれませんが、サマーカットをしたことで予期せぬトラブルを抱えるハメになってしまうことも実は珍しくありません。
ここでは、トイプードルをサマーカットするメリットやデメリット、その他注意点などについて解説していきたいと思います。
目次
トイプードルをサマーカットするメリットとデメリットは?
犬のサマーカットは決して悪いことではありません。
「サマーカットは反対!」などと極端な発信をする人もいますが、むしろ適度にサマーカットをすることで皮膚病や被毛トラブルの予防につながることもあります。
ただ、すべてのトイプードルにサマーカットが適しているわけではないのが事実です。
どんなことにもメリットとデメリットはつきもので、サマーカットだって決してメリットばかりではありません。
犬の被毛や皮膚のことに精通しているトリマーなら、トイプードルの毛や皮膚の性質を見てサマーカットを控えるようアドバイスしてくれる人もいるでしょう。
でもすべてのトリマーがそうではないので、飼い主さんはきちんとサマーカットのデメリットも把握したうえで判断するべきだと私は考えています。
そこでまずは、トイプードルをサマーカットするメリットとデメリットについて解説していきたいと思います。
トイプードルをサマーカットするメリット
毎日のお手入れがラクになる
トイプードルはクルクルとカールした被毛が特徴なので、毛のもつれなどを防ぐために毎日のブラッシング、月1~2回のシャンプーが欠かせません。
でもサマーカットをすれば毛が短くなるため、ブラッシングとシャンプーがすごく楽になります。毛の絡まりも心配する必要がありません。
汚れが付きにくくなる
毛の性質上、散歩へ行くだけで土や草などの汚れがつきやすいトイプードル。家の中でホコリやゴミを付着させることも珍しくありません。
毛を短くすると今度は全体的に汚れがつきにくくなるため、しばらく清潔な状態を保ちやすくなります。
熱がこもりにくくなる
トイプードルはもともと洋犬です。日本の蒸し暑い夏の気候を苦手としています。
そんなトイプードルが真夏に毛がモフモフしていると、上手に体温を調節できなくなって熱中症になることがあります。とくに黒のトイプードルは熱を吸収しやすいため、適度に短くしておくことで熱中症を予防しやすくなります。
皮膚病の予防にもつながる
毛を短くすることで、散歩中にノミやダニが絡みつきにくくなるメリットがあります。
また、毛と皮膚の間が蒸れにくくなるので、湿気が多い時期の皮膚病や痒みの予防にもつながりやすくなります。
トイプードルをサマーカットするデメリット
太陽の光(紫外線)をダイレクトに浴びてしまう
これはトイプードルに限ったことではありませんが、毛が短くなるとそれだけ太陽の光や紫外線がダイレクトに皮膚へ当たりやすくなります。
犬は人間よりも角質層が薄いため、紫外線などの強い光は本当に堪えるので注意が必要です。余計に暑さを感じて体調を崩す恐れがあります。
外に出かける時は、洋服を着せながら散歩するなどして対策しましょう。
虫や怪我から身を守ることができない
毛が短くなると皮膚が見えやすくなるため、蚊やブヨに刺されやすいというデメリットが発生します。
他にも、散歩中に草むらでノミやダニを直接皮膚につけてきてしまったり、木の枝や石などで皮膚を傷つけてしまうこともあるので気をつけておきたいところです。
中・大型犬なら体高があるので防げても、トイプードルのような小型犬の場合はいつも以上に注意を払う必要があります。
エアコンや冷風機の風が寒すぎてしまう
被毛に覆われている時は平気でも、毛が短くなってしまうとエアコンの冷たい風がより冷たく感じやすくなります。
人間が思う以上にトイプードルは寒さに弱い犬種なので、この辺りも十分に注意しましょう。ぶるぶると震えているようなら、毛布などを与えて温めるようにして下さい。
被毛の質が変わりやすくなる
個体差にもよりますが、短くカットし過ぎたことが原因で被毛の質が変わってしまう子もいます。これはもう本当に後悔としか言いようがありません。
しなやかな毛だったのがゴワゴワするようになったり、あるいは毛が伸びなくなってしまったりなどトラブルはさまざまです。
もちろん毎年サマーカットしても平気な子もいますが、お願いする際は被毛が変化するかもしれないことを覚悟しておいたほうがいいかもしれません。トリマーさんからの注意事項もよく聞いておくことです。
トイプードルのサマーカットは何ミリにカットするの?
サマーカットといっても、一体どんな道具を使ってどれくらいの短さにカットするのか?
ここでは、一般的なサマーカットの方法について紹介していきたいと思います。
サマーカットに使用する道具は「バリカン」が一般的
一般的に、トイプードルのサマーカットにはバリカンを使用することが多いようです。そして使用するバリカンは2種類あります。
- 3mm刃のバリカン
- 5mm刃のバリカン
これは飼い主さんの希望によって決まりますが、トイプードルの毛質や状態、それから皮膚の状態によっても使用されるバリカンは変わるようです。
ちなみに3mm刃のバリカンだと6mmくらいの毛の長さ、5mm刃のバリカンだと1cmほどの長さになります。
これだけ聞いてもピンとこないかもしれませんが、毛の長さが6mmってかなり短いです。ほぼツルツルに近い感じなので、似合わない子は本当に残念な姿になってしまいます。
初めてサマーカットをする子は、5mm刃のバリカンから始めるといいでしょう。あるいは、ハサミで短くカットする程度に抑えておくといいかもしれません。
3mm刃のバリカンはよく考えてからお願いしよう!
とりあえず毛を短くしてあげたいという理由から、いきなり3mm刃のバリカンでサマーカットをお願いする飼い主さんはかなり多いようです。
しかし、3mm刃で毛を剃ると本当に短くなります。トイプードルによっては、皮膚が見えたり毛質が変わってしまったりすることもあるので十分に注意しましょう。
それに、毛が伸びるまで結構時間がかかります。夏の終わり頃にやってしまうと、秋口に寒い思いをさせてしまう可能性があることも頭に入れておきましょう。
【結論】トイプードルのサマーカットは本当に必要?
これに関しては今でも賛否両論ですね。実際にサマーカットを好まないトリマーさんもいますし、とりあえずサマーカットを推薦するトリマーさんもいます。
しかし、動物界に詳しい専門家たちからすると、サマーカットは動物に必要はないと考えているのが正直なところのようです。
サマーカットは人間が勝手に生み出した方法であって、実際は犬たちが心から望んでいるものではありません。人間だって服を着て過ごしているように、犬は被毛をまとって日々過ごしています。
確かにサマーカットは、お手入れがしやすいなどのメリットはあるでしょう。しかしそれは、すべて飼い主さん(人間)の都合であることも否定できません。
だから今一度、サマーカットについてよく考えてみましょう。サマーカットまでしなくても、快適に過ごしてもらう方法はいくらでもあるのではないかと思います。
サマーカットが良いのか悪いのか、私は専門家でもトリマーでもないので断言できません。
ただ、カウンセリングなどをせずいきなりサマーカットをすすめるサロンは、ちょっと信用性に欠けるのであまりおすすめしません。ふつうは犬の皮膚・被毛・健康状態などをいろいろ確認してくれるものです。
サマーカットをどう捉えるかは飼い主さん次第ですが、お願いする時は愛犬の健康や皮膚の状態をちゃんと確認した上でお願いするようにしましょう。