北海道犬はどんな性格をしているの？特徴は？飼い方は難しい？

ソフトバンクのCMで「白戸家のお父さん」として人気を集めた北海道犬。そんな北海道犬は典型的な日本犬のため、経験なしでは飼うのが難しいとされている犬種です。

安易な気持ちで北海道犬を飼うと間違いなく嫌な思いをさせてしまうので、まずは北海道犬の基本的なことについて理解しましょう。

ここでは、北海道犬の特徴・性格・飼い方などを一般的な情報を元にまとめてみました。

北海道犬ってどんな犬？どんな特徴があるの？

「北海道犬」ってあまり聞き慣れない犬種だと思います。そもそも本州では北海道犬を飼っている人が少ないので、滅多にお目にかかれないことが理由にあるのでしょう。

北海道犬ってどんな犬なのか？どんな特徴があるのか？を理解するために、まずは北海道犬に関する基本的なことについて紹介していきます。

北海道犬の歴史

（参考：一般社団法人 天然記念物北海道犬保存会）

北海道犬は別名「アイヌ犬」とも呼ばれ、何千年も前から原始的な姿を保ってきました。

当時はアイヌの人たちと一緒にクマやエゾ鹿の狩りを行っており、怖いものしらずで野性味のある性格は大きな獣の狩猟に適していたそうです。

そして1902年に起きた「八甲田雪中行軍遭難事件」では、アイヌ人と一緒に遭難者を捜索活動をした犬としても注目を浴びました。いかに雪や極寒に慣れている犬種なのか伺えます。

北海道犬の基本的なデータ

北海道犬はパッと見た感じ大きく見えますが、北海道犬保存会と日本犬保存協会では北海道犬を「中型犬」と定めています。ちなみに柴犬は「小型犬」です。

北海道犬の一般的な特徴

北海道犬は柴犬とよく似ているため、違いがよく分からない人も多いと思います。

基本的に、北海道犬は柴犬よりも大きくて骨格も筋肉もガッシリしています。並んで見るとその違いは一目瞭然なのですぐに分かるでしょう。

あとよく言われるのが「北海道犬には舌班があり柴犬にはない」です。しかし、舌班がある柴犬も実際にいるので、舌だけで見分けない方がいいかもしれません。

北海道犬の価格

北海道犬の一般的な価格相場は、15万円前後と言われています。どこから迎えるか、血統や毛色によっても値段が変わってくるのでこの場限りではありません。

ただし、北海道犬をペットショップで見かけることはほとんどないです。ブリーダーから迎え入れるか、北海道犬保存協会に直接問い合わせをして情報を得るのが望ましいでしょう。

北海道犬の性格や性質について

次に、北海道犬の一般的な性格や性質についてです。

まず初めにお伝えしておきますが、北海道犬を「ソフトバンクのお父さん犬」だと思って飼うのはやめましょう。

CMなどで活躍される北海道犬は、優秀なトレーナーから特別な訓練を受けています。だからこそ、大勢の人に囲まれながらもあのように大人しく撮影もできています。

残念ながら、CMだけ見て北海道犬を飼って悲惨な目に合っている人があまりにも多いです。そうならないためにも、北海道犬の性格や性質をよく知っておきましょう。

飼い主に従順で忠実

北海道犬は飼い主にとても従順で忠実です。これは北海道犬に限らず、柴犬や秋田犬などの日本犬に共通している性質といってもいいかもしれません。

ただし、飼い主に対して忠実になれる北海道犬は子犬の頃から一定の社会性を身につけるトレーニングやしつけをしてきた犬に限ります。

迎え入れた時から適正なしつけをすることができれば、非常に魅力的な犬へと成長するのが北海道犬の特徴です。

リーダー以外の人に心を開かない

飼い主に忠実な北海道犬は、自分がリーダーだと思った人以外にはなかなか心を開きません。

もともと飼い主だけを信用する性格であるため、知らない人に対して攻撃的になる傾向にあります。たとえ一緒に暮らしている家族や獣医さんでさえ、寄せつけないこともあるようです。

気性が荒い

日本犬は基本的に気性が荒いです。中でも北海道犬はとくに気性が荒い傾向にあり、その性格もあってか番犬としても親しまれやすい犬種でもあります。

勇敢で野性味が強い

北海道犬はクマにでさえ立ち向かっていく犬です。ふつうの犬だったら足をガクガク震わせながら怯むのに、北海道犬はむしろ立ち向かっていきます。

その姿は勇敢という言葉がピッタリで、田舎や山奥で飼うなら最高の犬種と言えるでしょう。農家の人が北海道犬や秋田犬を飼いたがるのは、このためなのかもしれません。

寒さに強い

さすが北海道生まれの犬とあって、厳しい寒さにも平気で耐えられます。先ほど紹介した「八甲田山事件」でも活躍するくらいですから、相当寒さに慣れているのでしょう。

ただ、寒さに強い分、暑さにはかなり弱いのが北海道犬の特徴です。これは、北方スピッツタイプの犬に共通していることになります。

そのため、暑い地方や都会では飼うのが難しいとされています。日陰をつくる程度では暑さを和らげることができませんから、完全に涼しい環境をつくらなければいけません。

運動量がとにかく豊富！

北海道犬はとにかく筋肉質で骨格もしっかりしています。散歩の量も運動量も並大抵のものではありません。

私の知人で北海道犬を飼っていたおじさんがいるんですが、朝と夕方に各40分ずつの散歩を毎日と、さらに庭や公園で思いっきり遊ばせることを週4～5回くらいはしてましたね。

公園でお散歩レベルでは満足度を上げられない可能性があるので、北海道犬を飼うなら運動をたくさんすることが当たり前だと思う必要があります。

北海道犬の飼い方においての注意点

北海道犬がどんな犬なのか、なんとなく想像できましたか？CMのイメージだけで飼ってはいけないということがうまく伝わればいいなと思います。

そこで次に、北海道犬の飼い方で注意しなければいけないことをまとめてみました。

北海道犬の飼い方においての注意点

北海道犬は柴犬同様、ダブルコートなので換毛期になると抜け毛がすごいです。放置すると皮膚病やアレルギーの原因となることもあるので、必ずブラッシングを行いましょう。

あと北海道犬のような大きい犬を住宅街で飼う場合、念のため隣近所へ報告はしておいた方がいいかもしれませんね。

大きい犬というだけで怖がられることも多いですから、お互いに嫌な思いをしないためにも最低限のコミュニケーションはとっておいた方がいいでしょう。

こんな人には北海道犬は向かないかも…！

北海道犬を飼うにふさわしい人は、やはり犬のしつけを心から楽しめる人、そしてリーダーになって北海道犬をグイグイと引っ張っていける人です。

本当の犬好きじゃないと、北海道犬を飼うのは難しいでしょう。

北海道犬は決して獰猛な犬ではありません。たしかに気性が荒い傾向にありますが、どんな犬も飼い主さんの接し方次第で性格は変わります。

犬というのは飼い主さんの性格や考え方が色濃く反映されますから、どんな気持ちで育てられているのかはその犬を見ると分かります。決して生半可な気持ちで飼ってはいけません。

どんな犬も、ちゃんと信頼関係を築ければ飼い主さんに忠実な立派な犬へと成長します。とくに北海道犬のような日本犬はそれが強く出るから、ファンも多いのでしょうね。