犬にとって散歩は大きなイベントです。なのにも関わらず、散歩を嫌がる犬は意外と多いものですよね。
体調不良や怪我、老化などの事情があって散歩を拒否するのは仕方ありませんが、それ以外の理由で散歩に乗り気じゃない場合、果たしてどんな原因が隠れているのでしょうか?
散歩を嫌がる犬の情報を元にしながら、その原因と対策方法について解説していきたいと思います。
犬が散歩で歩かない4つの理由と対策方法!
犬が散歩中に歩かない、踏ん張る、帰りたがる、寝そべる、ずっと立ち止まるといった行動を見せた場合、
- 散歩そのものを嫌がっている。
- 歩くことを拒否している。
といった心境の表れである可能性があります。つまり拒否のサインですね。
そして考えられる理由はおおよそ決まっていて、多くの犬は以下の4つの理由のどれかに当てはまることが多いです。
- 恐怖を感じるモノに出くわすから。
- 飼い主に構ってもらいたいから。
- 外が暑すぎるから。
- 身に着けている首輪や服が気に入らないから。
心当たりありませんか?
体調不良や怪我といった理由で散歩を嫌がるのは別として、ぴょんぴょん跳ね上がるくらい元気であればこのような理由が隠れている可能性が高いです。
ただし、犬の性格や置かれている状況によって原因は変わります。必ずしもこれらの理由に当てはまるとは限らないので、あくまでも参考程度に留めていただければと思います。
それでは1つ1つ解説していきましょう。
恐怖を感じるモノに出くわす
一度恐怖を感じたモノに出くわすと、そのルートを歩きたがらなくなる犬はとても多いです。
とくに性格的に臆病な犬、子犬の時期に外の世界を十分に知ることができなかった犬によく見られます。
恐怖を感じるモノは犬によって異なりますが、ありがちなのは大きな音、工事の音、小さい子供の集団、やたら吠える犬などですね。
もしも犬が恐怖を感じて立ち止まる場合、そんな時は決まって耳が後ろに行き、尻尾も下がり気味になっています。不安がっている状態なので、表情を見れば一発で分かりますよ。
それが愛犬にとってはかなり恐怖だったようで、以来、小学生の集団に出くわしたルートに差し掛かるとピタッと立ち止まります。頑なに動こうとしません。断固拒否です。
思い返せば、子犬の頃から小学生の集団に慣れさせるってことしなかったんですよね。1人や2人はあっても「集団」はなかったので、幼い頃から小学生の集団を見せていたら違ったかもしれません。
対策方法
犬が何に恐怖を感じているのか分かるのであれば、そのモノに出くわすようなルートを歩く必要はありません。
慣れさせようとリードをグイグイ引っ張ると、余計に怖がるようになるし帰りたがるようになるので注意が必要です。
こんな時は、ルートを変えて散歩を楽しんでもらいましょう。車を持っている人であれば、近くの公園まで連れて行ってあげるのもいいと思います。
しかしどうしても歩いてそこのルートを通らなければならない時、そんな時は抱き上げてその場を通過するのも方法のひとつです。そして通過したらすぐに降ろしてあげましょう。
飼い主に構ってもらいたい
犬が「歩かなければ飼い主が構ってくれる」と学習している場合、散歩の途中で急に寝そべったり座り込んだりします。明らかにダダをこねてる感じですね。
これは性格的にワガママな犬、甘やかされて育ってきた犬、自分がリーダーだと思い込んでいる犬に多く見られます。言い換えれば、飼い主さんが舐められているということです。
なぜそうなってしまうのか?それは、歩かない時に抱きかかえてあげたり、動かなくなるとすぐにおやつで誘導したりなどの繰り返しなどがそうさせてしまった可能性が高いのです。
「動かなければ構ってくれる」「歩かなければおやつが貰える」と学習させてしまったことで、急に立ち止まって自分の要求を叶えようとしています。
対策方法
犬のワガママによる散歩拒否であれば、そんな時は声をかけずに犬目線でリードを軽く引っ張りましょう。
この時にズルズルと引きずると肉球が傷つくので、クイっと軽く引っ張るのがコツです。
それでも動かないからと構ってしまうと、結局何も進歩せずに同じことの繰り返しになります。ここは「飼い主さんの言うことを聞かないといいことがない」と学習させましょう。
外が暑すぎる
夏以外の季節はルンルンと歩くのに、とろけてしまいそうなほど暑い日になると散歩拒否する犬も非常に多いです。
それもそのはず。なぜなら、暑い日のアスファルトは40~50℃近くにまで温度が上がっているからです。そんなところを歩きたがる犬はまずいないでしょう。
とくに小型犬は、中・大型犬に比べると地面との距離も近いです。当然ながらアスファルトからの照り返しもすごいので、中には散歩で熱中症になってしまう犬もいます。
2018年7月の猛暑日には、アスファルトの温度が60℃を超えている地域が続出しました。こんな地面を散歩させることはもはや虐待なので、必ず気温が下がり始める18時以降に散歩をさせるようにしましょう。
対策方法
真夏に散歩をする時は、朝の涼しい時間帯や日が暮れた夜に行うようにしましょう。
それが難しいようであれば、できるだけ日陰多い場所に行って散歩をするようにして下さい。
身に着けている首輪や服が気に入らない
身につけているものが気に入らず、散歩そのものを嫌がる犬もいます。
とくに普段から何も身につけない室内犬、子犬の頃からいろんな装着に慣れていない犬に多いような気がしますね。
中でも「首輪が気に入らなくて…」というのはよく聞きます。あとはレインコートを嫌がる、ハーネスから首輪に切り替えたら歩かなくなった…など、いろんなケースを耳にします。
首輪に関しては、子犬の頃から装着に慣れていないことが原因でしょう。あとは首輪がキツイ、素材が気に入らない、引っ張られた時に首が締まって苦しいなども考えられます。
対策方法
犬の散歩は必ずしも首輪にリードではないので、その犬に合ったグッズで散歩をするようにしましょう。できれば子犬のうちからいろんな装着に慣れさせておくといいですね。
「首輪からハーネスに切り替えたら散歩へ行くようになった」という声もよく聞くので、普通のリードにもハーネスにもなるタイプのものを持っておくと便利かもしれません。
子犬が散歩で歩かない理由と対策方法は?
子犬が散歩中に歩かなくなる1番の理由は、まだ外の世界に慣れていないことにあります。
もちろん怖気づかずスタスタと歩く子犬もいますが、ほとんどの子犬は周りを警戒しながら歩いています。これは人間の幼児に置き換えると分かりやすいでしょう。
この時、大きな犬や怖そうな人に出くわすと小さな子供はビックリして、思わず親の足元にしがみつきます。実はこれって子犬も同じなんです。初めて見る大きなモノや音にビックリしてしまうと、そこから動けなくなります。
これはごくごく自然なことで、決して「我が家の犬」だけではありません。子犬ならどの犬にでも起こり得ることです。そうやっていろんなことを経験し、自身で克服していきます。
対策方法
子犬が散歩を嫌がっている様子を見せても、無理やり歩かせる必要はありません。「少しずつ慣れてもらおう!」という余裕な気持ちで接することが大事です。
もしも途中で座り込んだり動かなくなってしまった場合、そんな時は飼い主さんも一緒に立ち止まって子犬にいろんなものを観察させてあげましょう。やがてまた歩き出してくれます。
それでもなかなか動かない時は抱っこし、決して引っ張らないようにして下さい。
できるだけ散歩デビュー前に抱っこしながら外の世界を見せてあげると、いざ散歩デビューした時に酷く怖がらせずに済みますよ。
犬が散歩で急に歩かなくなった時、そこには何かしら原因があります。
これまでの状況を振り返って「何か思い当たる節はないか?」を確認してみて下さい。もしかしたらすぐに原因が見つかるかもしれません。
原因が分からないと、散歩嫌いを克服させることはなかなか難しいです。無理やり引っ張って克服させるものではありませんから、原因を見つけて散歩嫌いを好きに変えてあげましょう。
ほとんどの犬は、食事と同じくらい散歩が好きです。だから「散歩ってやっぱり楽しい♪」と再び思ってもらえるようになれば、また心地よく歩いてくれることでしょう。