犬と暮らし始めたらまず始めに教えておきたいのが、トイレトレーニングです。
トイレトレーニングが早く進めばケージやサークル内に犬を拘束しておく時間が減り、家族と一緒に同じ空間で暮らす時間を増やすことができるようになります。
ここで紹介するトイレトレーニングは迎えたばかりの子犬だけでなはく、トイレトレーニングがうまくできない成犬または成犬から家庭に迎えた犬にも活用できるトイレトレーニングです。
目次
犬のトイレはこうやってしつけよう!
トイレトレーニングを犬に分かりやすく教えるコツがいくつかあります。そのコツを上手につかんであげることがトイレトレーニングを成功に導きます。
犬のトイレのしつけ方の基本①
はじめはトイレをケージの中に1個設置します。犬の年齢によってどれくらいトイレを我慢できるかは異なりますが、よく犬を観察しどれくらいの間隔で排尿、排便をするかを確認します。
ケージの中のトイレで排泄ができたらすぐに誉めてケージから犬を出してあげます。
犬のトイレのしつけ方の基本②
ケージの外で犬が自由になっている間に犬と遊んであげたり、トレーニングをしたりコミュニケーションをとってあげます。
次の排泄のタイミングがきたら、おやつやおもちゃを利用して誘導しケージの中に犬を戻し、再び排泄をしたらまたケージから出してあげます。
これを繰り返すことで、犬はケージの中に戻り排泄をしたらケージから出て自由になれることを学んでいきます。
犬のトイレのしつけ方の基本③
大切なのはタイミングです。排泄をしたらすぐにケージから出してあげないと「排泄する=ケージから出ることができる」の関連を理解しません。しつけはタイミングが命です。
また上手にトイレシートの上でできたら言葉で誉めることも忘れずに行いましょう。だんだんと理解が深まると自らケージの中に戻り排泄をするようになっていきます。
自発行動が増えてきたら、ケージの外にもう1個トイレを設置し2個目のトイレを使うかどうか確認してみましょう。
犬がトイレを失敗する原因は?
先住犬がいれば先住犬を真似ることでトイレトレーニングをあまり困らず教えることができますが、そうでなければ飼い主が教えてあげる必要があります。
ペットショップやブリーダーの元でどのような材質の上でトイレをさせていたかを確認することも大切です。
トイレトレーニングは子犬であえば1~2か月程度、成犬であればそれ以上時間がかかるものです。トイレトレーニングの近道は「観察あるのみ」。
犬のトイレパターンを読み、粗相をする前にトイレに誘導してあげてください。ここでトイレトレーニングがうまくいかない原因をいくつかご紹介したいと思います。
- 飼い主の褒めるタイミングがずれしまい、犬にうまく伝わらないためトイレの場所を覚えずらくなっている。
- トイレが狭いまたは配置場所が悪い。
- トイレとベッドの距離が近すぎる。
- トイレシートが清潔ではない
- 失敗する度に怒られている。
実はこのようなことが原因になっている可能性が高いです。
「トイレだから何でもいい」ではなく、「トイレだからこそ快適な空間や環境をつくってあげる」ことが重要になります。
そこで次に、どんな工夫をすれば成功するようになるのか?を原因別に紹介していきたいと思います。
原因別に見る犬がトイレに失敗しないための対策方法!
スムーズにトイレトレーニングを成功させるためにも、飼い主さんは楽な気持ちでトライすることが大切です。肩肘を張ってしまうと、その気持ちが愛犬にも伝わってしまいます。
トイレの場所をなかなか覚えない時の対策方法
犬がトイレの場所をよく分かっていないと、他の場所で粗相をしたり何度もトイレを失敗する原因となります。
なぜそうなってしまうのか、考えられる理由には以下のようなものがあります。
- 飼い主さんがトイレまでうまく誘導できていない。
- トイレそのものが犬にとって分かりづらい。
- 上手にトイレができた時に褒めていない。
【ケース1】トイレまでうまく誘導できていない
飼い主さんが愛犬をトイレまでうまく誘導できていないと、愛犬はどこでトイレをするのが正しいのか困惑してしまいます。
コツとしては、排泄のタイミングを読みトイレまで誘導してあげることです。
- 寝起き(昼寝のあとも同様)
- 遊んでいる時
- 食後
個体差はありますが、子犬のうちはだいたい上記の3つが排泄のタイミングとなります。一般的に子犬なら2~3時間、成犬なら3~4時間おきにトイレをしたくなる傾向にあります。
そして「あ、トイレだな!」と思ったら、すかさずトイレシートまで誘導しましょう。抱っこはせずにおやつなど使用してトイレの場所まで誘導してあげます。
そこでうまく排泄し始めたら、今度は掛け声(「ワンツーワンツー」など分かりやすい号令)をかけてあげます。
すると犬は「掛け声=排泄」と頭の中で結びつくようになり、困惑せずに安心してトイレを覚えるようになります。
【ケース2】トイレそのものが犬にとって分かりづらい
通常トイレはケージの中に1つ配置してトイレトレーニングを行っていきます。ケージの中でトイレとベッドが近すぎてしまうと、ベッドの上で排泄してしまうことがよくあります。
また、犬はフカフカした柔らかい素材の上で排泄をすることが好きなので、ベッドの上で何度も排泄してしまう場合はベッドは配置せずにクレートを寝床代わりに設置してあげましょう。
そうすることで、クレートトレーニングも同時に教えることができるようになれます。犬の年齢や気質によっては、シートをじかに配置するとシートをいたずらしたり、食べたりしてしまうことがあります。その場合はシートをトイレトレーに挟んで使用しましょう。
失敗する箇所にシートを追いかけるように何か所も配置しいていくのことはお勧めできません。複数のトイレ場所を設置することで、逆にトイレトレーニングが分かりずらくなることもあります。
【ケース3】上手にトイレができた時に褒めていない
上手にトイレができたら言葉で誉め、おやつもあげましょう。トイレが確実に分かるようになるまでは、言葉で誉めることとおやつをあげることを行ってあげましょう。
完全に理解できるようになったら、言葉だけの誉めでも大丈夫ですが、犬が何歳になってもトイレで正しく排泄できたら誉めてあげましょう。
こうすることで犬は「ここでトイレをするといいことがある」と学習し、自ら積極的に決められた場所でトイレをするようになります。
トイレの場所・トイレシートが小さい時の対策方法
犬にとって排泄する場所が狭いと、はみ出しの原因となります。
犬はトイレをする前にクルクルと周る習性がありますよね。その時に体が外にはみ出たり、あるいは周りきれないほど狭いとなると、トイレに失敗しやすくなるのです。
そしてこの場合の対策方法は、今のトイレを大きくしてあげるだけで十分です。サークルで囲っているなら、トイレに合わせて少し広げてあげましょう。
- 犬がシートに乗った際に犬の体の1.5倍以上のサイズがあるのがベスト
- 犬の体が大きくなったら、大きさにあわせてトイレもサイズアップをすることを忘れずに
それでもはみ出してしまう時は、トイレシートの下にビニールシートなどを敷いておくと掃除の手間が省けます。
トイレが寝床と一緒になっている時の対策方法
トイレと寝床が一緒になっていると、トイレ失敗の原因となります。
これは、犬が自分の排泄物が体につくことを嫌うからです(犬に限らず人間もそうですが…)。
なので、トイレと寝床が一緒になっているとトイレに失敗しやすくなるだけでなく、おしっこなどを我慢させる原因にも繋がってしまうので注意しましょう。
トイレシートが汚れている時の対策方法
犬はきれい好きです。とくに柴犬のような日本犬はきれい好きな犬が多く、トイレがちょっとでも汚れているとなかなかそこで排泄してくれません。
トイレシートはこまめに取り換えてあげましょう。シートを変える度に、トイレトレーの枠やメッシュ部分も消臭スプレーやウェットシートを使って綺麗に拭いてあげましょう。
失敗する度に何度も怒られた時の対策方法
愛犬がトイレに失敗するとガッカリする気持ちもよく分かりますが、そこで怒ってしまうとさらにトイレ失敗の原因をつくってしまうので要注意です。
- 排泄そのものがダメな行為だと覚えさせてしまう可能性がある
- 叱り方が中途半端だと褒められていると勘違いさせてしまう可能性がある
- 叱るタイミングがずれていると犬叱られた理由が分からなくなってしまう
- 飼い主のいないところでコソコソ排泄するようになる可能性がある
犬を過度に叱らずにかつ分かりやすくトイレトレーニングを行う方法(コツ)①
トイレトレーニングを成功に導くには「観察」が大切。どのくらいの頻度でまたはどのような時間帯に排泄をするかチェックし、正しく排泄できたらタイミングよく褒めてあげましょう。
トイレトレーニングは褒めれる状況を飼い主が積極的に作ってあげることが大切です。つまり失敗させないようにサポートしてあげることです。
犬を過度に叱らずにかつ分かりやすくトイレトレーニングを行う方法(コツ)②
排泄をする前のそぶり(そわそわする、くるくる回りだす、床を嗅ぐなど)が見られたら、すぐにトイレに誘導しましょう。
犬を過度に叱らずにかつ分かりやすくトイレトレーニングを行う方法(コツ)③
言葉で誉めた後、犬が喜ぶこと(例:遊ぶ、おやつをあげる、ケージから出れるなど)をしてあげることで成功率が高まります。
犬を過度に叱らずにかつ分かりやすくトイレトレーニングを行う方法(コツ)④
粗相をした場所は消臭スプレーで綺麗に掃除をしましょう。掃除をしている際に飼い主の手やウェットシートなどにじゃれてくるようなら、お掃除をする際に犬をクレートやケージなどに入れて行いましょう。
【番外編】こんな時はどうしつければいいの?
他にも、「こういうことあるよね!」というトイレの悩みをピックアップし、その対策方法について紹介していきたいと思います。
トイレシートをボロボロにする時の対策方法
トイレシートをボロボロにするのは、犬にとってただ楽しくてやっている場合がほとんどです。とくに留守番が長いと、退屈しのぎに食い散らかすことが多いように思います。
一番おすすめなのは、プラスチックのメッシュつきトイレトレーを使用することです。
足上げおしっこで壁が汚れる時の対策方法
オス犬の足上げおしっこに悩まされる飼い主さんは多いかと思います。
おしっこが壁に飛び散ってしまうと汚れが落ちにくくなるので、早めに対策をするようにしましょう。
壁(ガード)付の2面式のトイレトレーを使用するのがおすすめです。サークルの2面または3面にトイレシートを張ってガードするという方法もあります。
もし可能であれば、水を入れたペットボトルにトイレシートを巻き、それをトイレの真ん中に置いてみましょう。オス犬にとってはそこがターゲットポイントとなり、ペットボトルに向かって足上げおしっこをしてくれるようになりますよ。
トイレの上で寝てしまう時の対策方法
トイレの上で寝てしまう犬、多いですよね。これは単純に寝心地がいいからというのもありますし、あとは寝床とトイレの区別がつかないことも原因として考えられます。
- 寝床とトイレの区別が分かりやすくなるように、トイレと寝床を遠ざける、または新たなゲージを購入し現在のケージとつなぎ合わせ、新たなケージのスペースをトイレの場所にします
- クレートのように屋根がついており囲まれた場所は犬は安心して寝てくれます。これは巣穴で寝る犬科の犬の本能行動をうまく使ったしつけ法になります。クレートを提供してあげることで自然とペットシートで寝ることがなくなってきます
犬がトイレを我慢できる時間はどれくらい?
室内で犬を飼うと、気になるのがトイレの我慢ですよね。
一般的に犬は、約12時間くらいならトイレを我慢できると言われています。もちろん愛犬の健康状態によって大幅に異なるので、あくまでも目安として捉えるようにして下さい。
健康的な犬であれば約5~6時間くらいまでの我慢ならOkとし、それ以上は我慢させないようしつけるのが愛犬の健康のためでもあります。
あまりにも我慢させてしまうと、膀胱炎や尿路結石を引き起こすほか、ひどい時は尿毒症になって命を落とすこともあります。十分に注意して下さい。
犬のトイレトレーニングを成功させるためには、難しく考えすぎないことが大切です。
そして、成功したらしっかり褒めてあげるを繰り返すと、どんな犬でもちゃんと覚えてくれます。
失敗して当たり前と思いながら楽しくしつけることで、飼い主さんと愛犬の間に新しい絆が生まれてくるはずです。そのようにしながら、お互いに信頼関係を深めていきましょう。