
散歩のしつけは犬を飼う上で大切なマナーです。
あまりにも散歩のマナーが悪いと他人・犬に迷惑をかけてしまうのはもちろんのこと、思わぬ大事故につながってしまう可能性もあるため十分に注意しなければなりません。
ここでは、犬の散歩にありがちな3大トラブル(引っ張るクセ、吠える、トイレ)に関するしつけやマナーを紹介していきたいと思います。
犬の散歩に最低限必要な3つのしつけ
「犬の散歩にまでしつけをする必要はないんじゃないか?」と言う人がたまにいますが、散歩だからこそ最低限のしつけはしっかりと行う必要があります。
なぜなら、犬が何でもかんでも自分の好きなように動いてしまうことで、他の人や犬に迷惑をかけたり、事故やケガを引き起こすことが十分に考えられるからです。
「でも、どんなしつけをしたらいいのか分からない…。」
そんな時は、信頼のできるドッグトレーナーに相談してみたり、犬の飼い方に精通している人にアドバイスを求めてみるといいでしょう。この辺りはプロに直接聞くのが一番です。
あくまでも私が知る限りではありますが、犬の散歩中によくありがちな困ることを以下にまとめてみました。
- リードをグイグイ引っ張る。
- 他の人や犬にすごい勢いで吠える。
- トイレの場所(うんちやおしっこの処理)。
これらを改善するためにはどうしたらいいのか?原因を踏まえた上で、それぞれの解決方法を見ていきましょう。
犬がリードや紐をグイグイ引っ張る場合のしつけ
引っ張りグセは、犬に主導権を握らせる行為の1つでもあります。
犬は自分本位で動けるものだと勘違いをしてしまうので、ワガママにならないよう飼い主さんがきちんとリードしながら散歩できるようにすることが大切です。
引っ張るクセの直し方としつけ方法
愛犬にグイグイと引っ張るクセがある場合は、「前に出ようとすると引き戻される(あるいは自由に動けない)」と愛犬に思わせることが大切です。
まずは以下の方法を取り入れながら、日々実践してみましょう。
- 犬と向き合って名前を呼びながらアイコンタクト。
- 成功したらご褒美(おやつ)を与える。
- すぐに犬に背中を向け、犬が自ら飼い主さんの目の前に来るまで待つ。
- 目の前に来てアイコンタクトをしてくれたら、ご褒美を与える。
- そのままちょっと歩いて止まる。
- また目の前に来てアイコンタクトをしてくれたら、ご褒美を与える。
- 犬が自らアイコンタクトをしてくれるようにまで、1~6を何度も繰り返す。
この方法を繰り返していくことで、犬は「リーダーはいつ止まるのかな?」と気にしながら自然と横について歩くようになります。
すると自発的に飼い主さんの横を歩いてくれるようになるので、リードがたるんだ状態(引っ張られない状態)をキープすることができます。これを「リーダーウォーク」と言います。
犬が横や後ろを歩くようになるコツ
さらに効果をアップさせたい場合は、以下のコツを実践してみるのも方法です。
- 引っ張った時はリードを短く持ってへその位置で止める。
- 引っ張り続けても飼い主は動かないようにする。
- リードが緩んだら歩くクセをつける。
- 絶対に叱らない(大声を出さない)。
- 伸縮リードやロングリードは使わない。
- リードを勢いよく引っ張らない。
最近は伸縮リードを使って散歩をする飼い主さんも多いですが、長く伸びるリードは引っ張りグセを助長させる恐れがあります。
できるだけ散歩の時は普通のリードを使うようにし、公園などの広場に着いたら伸縮リードに切り替えるようにしましょう。
散歩中に他の犬や人に吠えまくる場合のしつけ
散歩中に他の犬や人に吠える犬も多いですね。どんな対象物にでも吠える犬もいれば、特定の人や犬に吠える犬もいます。
まずはその原因について触れ、その上でそれぞれのしつけ法を紹介していきたいと思います。
犬が散歩中に吠える3つの原因
犬が散歩中に吠える原因には3つあります。
- 相手を「警戒」している。
- 「恐怖」を感じている。
- 大好きな相手に会えて「興奮」している。
この中で1番と2番は吠え方や表情に「威嚇」が見られます。それに対し3番はテンションが上がっている状態なので、吠えると同時に「引っ張っる」「はしゃぐ」などの様子も見せます。
「警戒」して吠える時のしつけ法
愛犬が警戒している時は、安心させてあげることが一番です。
まずは「散歩中に引っ張るクセを直す方法」でも紹介したリーダーウォークを実行し、愛犬を落ち着かせましょう。
そして敢えて遠ざかるのではなく、時間をかけて警戒する相手と徐々に距離を縮めていきます。いきなり近づけさせてはいけません。相手もびっくりしてしまいます。
ちょっとお近づきになりたい時は、必ず相手の飼い主に「近づいても大丈夫ですか?」と一声かけるようにして下さい。少しずつ距離を縮めて警戒心を解いてあげましょう。
ここで遠ざかってばかりいると「あいつはやっぱり怪しい奴なんだ」と犬が判断するようになり、ますます警戒して会う度に吠えるようになります。
「恐怖」で吠える時のしつけ法
愛犬が恐怖を感じている時、なるべく強く吠えて威嚇して相手を遠ざけようとします。
このような場合は、恐怖を感じる相手に慣れさせようと自ら近づいていくのは良くありません。愛犬も相手もますます怖がってしまいます。
対策としては、相手を愛犬の視界に入れる前におやつなどで気をそらす方法、あるいは対象物に出くわさないようなルートや時間を選んで散歩をする方法がおすすめです。
もしも出くわした場合は、わざと大きな距離をとって離れてみましょう。
「興奮」して吠える時のしつけ法
興奮して吠えている場合も、やはり先ほどのリーダーウォークを実行するのがおすすめです。まずは落ち着かせる必要があるので、この方法で落ち着く癖を身につけさせましょう。
あとは愛犬と他の犬は遊ぶ機会を増やしてあげたり、ドッグランでいろんな犬とコミュニケーションをとることで、興奮レベルを少しずつ収えられるようになってきます。
犬が散歩中にしかトイレをしない場合のしつけ
散歩にトイレをしないようしつけるのが理想ですが、なかなかそれができないケースも多いと思います。そんな時に困るのが、外で排泄をする適切な場所や処理の仕方ですよね。
ちなみに、道路にうんちがたくさん落ちているエリアは、まだまだ散歩のマナーが守れていない飼い主さんが多い証拠と言われています。
当然、うんちをそのまま放置して帰るというのはマナー違反なので絶対にやめましょう。土に埋めても肥料になることはありません。
散歩中のトイレで絶対にやってはいけないこと!
まず、散歩中のトイレで絶対にやってはいけないことを以下にまとめてみました。
- 他人の家の前や花壇の側での排泄。
- 道路の真ん中での排泄。
- うんちやおしっこをそのまま放置。
- うんちを公共のゴミ箱に捨てる。
この中でもっとも多いのが1番と3番ではないでしょうか。私の近所にも犬のフンが結構落ちていて、日に日にその量が増えていくので恐らく同一人物なんだろうなとは思っています。
犬を飼っていない人は犬の排泄物を見ただけで「げっ!」ってなりますから、他人が不快だと思わないような場所で排泄させることがマナーでもあり常識です。
【しつけ1】トイレのタイミングが悪い場合は歩き続ける!
もし愛犬が排泄しようとしても、他人の家の前や敷地など場所が悪い場合は止まらずにそのまま歩き続けましょう。タイミングを逃しても、またすぐに排泄しようとするので大丈夫です。
【しつけ2】排泄をするまでは道路の端を歩く!
犬が排泄をするまでは、道路の端を歩くようにしましょう。車や自転車などが通る道のど真ん中で排泄をすることは大変危険です。絶対にやめましょう。
【しつけ3】おしっこをしたあとは水で流す!
犬がおしっこをしたあとは水で流すのがマナーです。なぜなら、おしっこのにおいが残っていると他の犬もそこでおしっこをしてしまい、どんどん汚れていくからです。
とくにマーキングの癖のある犬は、室内でおしっこができても散歩中におしっこをすることもあります。必ず水入りのペットボトルを持ち歩き、おしっこをしたら水で流しましょう。
【しつけ4】うんちは自宅に持ち帰る!
犬のうんちは自宅に持ち帰るのが鉄則です。公園にある公共のゴミ箱や、スーパーやコンビニに設置してあるゴミ箱へ捨てるのは絶対にやめましょう。
ただし、犬のうんち用ゴミ箱が設置してある場所であれば、そこのルールに従ってゴミ箱を利用しても大丈夫です。
【しつけ5】下痢や軟便のために新聞紙を持ち歩く!
軟便や下痢をしてしまった時に一番困るのが、処理の仕方です。きれいに取れずベッタリ残ってしまったり、あるいは手にくっついてしまうことだってあるでしょう。
そこでおすすめなのが、新聞紙やチラシなどを利用してうんちをキャッチすることです。
飼い主さんなら愛犬がうんちをしそうな時の体勢くらいは分かるはずなので、その姿を見せたらすかさず新聞紙を敷きましょう。こうすることで地面や手を汚さずにうんちを処理することができます。
愛犬と楽しい散歩をするためにも、最低限のマナーとしつけはしっかりと守るようにしましょう。
「そんなの自由がなくなるじゃないか!」と反論する飼い主さんもいるかもしれませんが、自由にさせてあげることだけが犬の幸せではありません。
マナーを守れていないと、最後に嫌な思いをするのは飼い主さんとそのわんちゃんです。周りに迷惑をかけてばかりいると煙たがられるようになり、最悪訴えられることも本当にあるので十分に注意しましょう。